前半は、いわゆる上杉本『洛中洛外図』についての論文。
後半は、洛中洛外図が描かれた時代背景についての論文を収録している。
やはり、前半がおもしろかった。
上杉本『洛中洛外図』に描かれている内容から、当時の状況を探っていく様子は、まるで推理小説を読んでいるようだ。
馬と米屋の関係、今はなき五十橋の中島の話、弁慶石の話など。
一番の注目は、絵の中心付近に描かれている少年像から、この絵の描かれた背景を推理する部分。
現在では、瀬田がこの本で提示した説が、学界の定説になっている。
この本を読む前と後では、『洛中洛外図』を見る目が変わるのは、間違いない。