現在、折口研究では欠かせない一書が待望の文庫化。否応もなくひき込まれる折口の言葉の魅力と危険をともに見定めようという、「表象」にこだわりつつ反発する松浦さんにしかできない芸当です。
あからさまに引用されるデリダだけでなく、なにげなくドゥルーズにも目配せしているのを探すのも面白いかも。
エクリチュール論、天皇論、日本語論、ホモソーシャル論という壮大な構想をつらぬいているのは「不可能性」と「憑依」。折口は「もの自体」への不可能な接近をいかに試みたか。折口の言語活動のもとにある「憑依」がいかに日本的な権力構造なのか。すばらしい!
そして「あとがき」で赤裸々に吐露される松浦さんの心情。。。あー、この人は本当に「文学者」なのだと再度確認できます。