'91年作品に補章「エニアグラムを読む」等を加えた増補改訂版('04年10月刊)。
「改訂版のあとがき」で著者は、'91年当時はサビアンに「長くかかわるものだとは
思ってい」なかったとしているが、21世紀初頭の今となってはわが日本ではサビアン
といえば著者、のイメージが定着したのが現状であろう。
サビアン・アストロロジーの、わが日本での歴史を大まかに辿ると、1920年代のマー
ク・エドモンド・ジョーンズMarc Edmund Jonesに拠る考案→1970年代ディーン・ル
ディアDean Rudhyarに拠る解釈とその大いなる敷衍→1980年代ルディアから直接を受
けた、直井あきら(日扁に彗)氏がわが日本に紹介→直井氏と直接情報交換、ならび
にルディアの原書解釈に改めて取り組んだ本著著者である松村潔氏に拠る本書公刊、
となろうか。
上述の通り、サビアン解釈それじたいは先達であるルディアのそれがベースとなっ
ている。ここでの解釈とのちの『決定版サビアン占星術』('03年)でのそれとを比
べると、著者が両著書執筆間隔である12年のあいだに、いかに一つひとつのシンボル
文の解釈を肉付け・豊饒化させたかが判る。
とはいえ著者自身が上記「あとがき」で、上記両著書を読めばサビアンについて
「かなり詳しくなれる」としている事もあり、本著購読もレヴュアーは勿論お薦めす
る次第である。ついでに思想の起源を辿る、という意味では本書→直井氏の著書→ル
ディアの著書→ジョーンズの著書、と推移していくのがベストである事にも触れてお
く。
さいごにレヴュアー一個人のエピソードを。著者紹介文にある、著者のネイタル太
陽の「新しい法の石版を携えてシナイ山から降りる予言者」というシンボル文に心打
たれ、これがどの度数なのか、牡羊1°から順に探して行ったものである(御存知の
通り、この探し方だと、随分時間が掛かる)。