出版社/著者からの内容紹介
僕の付き合っていた女性・心子が抱えていた、現代的を象徴する心の障害です。
心子とは甘い蜜月と凄まじい修羅場が、目まぐるしく繰り広げられました。
限りなく純真で、千変万化の彼女と一緒に過ごした日々。
その波瀾万丈の悲喜劇を描いた、真実のノンフィクションです。
全てを焼き尽くすような、微塵の妥協も許さない心子の強烈な愛情。
壮絶ながら、ピュアでひたむきなラブストーリーです。
(本書は、2005年に新風舎から出版された「境界に生きた心子」に加筆し、
再出版されたものです。)
心子をはじめボーダーの人は、感情の起伏が激しくて、衝動をコントロールで
きず、本人も周囲も大変な葛藤に巻き込まれます。
愛する人を過剰に理想化するかと思うと、一転して致命的にこき下ろします。
白か黒か、どちらかしかありません。
恋人や家族に無際限の"完璧な愛情"を求め、それが得られないと僅かなこと
でキレたり、逆にうつ状態になったりしてしまいます。
それは、根源的な「愛情飢餓」から来るものです。
先天的な脳の気質に加え、成育環境、社会や時代の影響、様々なリスク因子が
原因とされています。
しかしその一方、この上なく純粋で人を引き付ける魅力があり、色々な才能に
恵まれていることも少なくありません。
尾崎豊, ダイアナ元妃, 太宰治, マリリン・モンローもボーダーだったと言わ
れます。
ボーダーの人は元天使だったと言う人がいます。
心子との交際はすこぶる楽しくて魅惑的ですが、人間に転生してまだ間がない
ため人の不完全さを理解できず、神様のような理想像を要求されて、著しい困難
を強いられることになってしまいます。
けれども、完全無欠の愛を得られずに傷つき、最も苦しんでいるのは彼女自身
に他なりません。
彼女たちは誰よりも愛情に飢えているのです。
拙著によって、人間にとり愛情がいかに大切かということを伝えていけたらと
思います。
透徹した彼女の生きざまを目の当たりにした時、きっと何かを感じていただけ
るのではないかと思います。
【お断り】
拙著に対してはボーダーご本人の方々から、自分と同じでとても共感・感動
し、涙が止まらなかったという声が沢山寄せられています。
一方、非常に心が乱れたり、フラッシュバックを起こしたり、傷つく方もいら
っしゃいます。
それが正にボーダーの方の特徴なのかもしれませんが、両極端に分かれるよう
です。
ボーダーの方にはどれほど意を尽くしても、傷つく時には致命的に傷つかれて
しまうため、ご本人にとっては何よりも辛いことだろうと心が痛みます。
著者としても誠に不本意でなりません。
99%は〇%と同じになってしまうボーダーの方には、BPDを扱った書物は
諸刃の刃になるかもしれません。
ボーダーの方が拙著を読まれる場合、ご本人の心の健康を守る必要があるので、
予め上記のことをくれぐれもご了承いただきたいとお願いいたします。
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
メディア掲載レビュー
しかしその内容は一言で評することができない。
二人の言動から生々しく伝わってくる心の病の実態。
そして心に病を持たない者が、人格障害を持つ人を愛した時に初めて知る自分自身の姿。
大袈裟な表現を避け、控えめにそして淡々と描く二人の現実の情景にこそ、その病に触れた者の悲痛と深い信愛が見て取れる。
創作では出し得ない真実の愛の刹那に生きた迫力がすごい。
しかし作者が敢えて包み隠さず二人の生きた瞬間を吐露した裏には、美しい愛情を伝えることだけが目的ではなく、
まだまだ認知されにくい心的障害とそれを負うに至る環境が、今この本を読む総ての人の周囲にあるということ、そして誰もがその当事者になる可能性が現代にはあるということを示唆している。
私たちはこの問題を直視し、障害者への取り組み方、そして障害自体をなくす社会及び家庭環境を真剣に考える時期に来ている。
私もこの本が感動の愛の物語であると同時に、境界性人格障害の人を助ける伝道の書となることを切に願って止まない。 --境界性人格障害の恋人と共に過ごした波瀾万丈の日々をつづった、ノンフィクション --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者からのコメント
1月当社が倒産し、拙著は絶版扱いとなってしまいました。
その後、幸いなことに、星和書店から再出版されることになった次第です。
ここに至るまでは長い道のりでした。
心子との軌跡が結実した、万感の想いを込めた一作です。
2001年1月、心子は自死にて旅立っていきました。
(自殺行動もボーダーの"症状"のひとつです。)
間もなくして、僕は彼女のことを書き記しはじめ、約3年半に渡り加筆を重ね、
新風舎から出版されました。
それから、星和書店の再出版に当たり、再び加筆して、心子は2度生まれ変わ
ることになりました。
拙著は、心子という一人の女性が、この世で確かに力の限り生き抜いたのだと
いう証を残すことが、第一の役割だと考えています。
そしてボーダーの真実を人々に伝え、非常に理解されにくい心の障害を分かって
いただくのも、何より大切なことだと思います。
ボーダーの人はますます増え、それに苦しむ本人や家族,パートナーの人たちも
数多くいらっしゃいます。
それらの方々にも、拙著が何かの一助になればと願っています。
心子は心理カウンセラーでしたが、精神科医になる夢を抱いており、心の病に
苦しむ人をたった一人でも救えたら、自分は死んでも構わないと悲願していまし
た。
人のために身を捧げることをいささかも厭わなかった彼女は、拙著によって
ボーダーの人たちが受け入れられる一里塚となることができれば、きっと天国で
喜んでくれることでしょう。
ボーダーへの理解が広まり、悲劇の再生産のシナリオを書き換えることが、
心子への何よりの供養になると思います。
彼女のお母さんも拙著を一気に読まれ、とても嬉しかったと望外の言葉をくだ
さいました。
新風舎版と同じく、奥付の発刊日2月21日は心子の誕生日です。
「境界に生きた心子」は彼女の生まれ変わりであり、手塩にかけた"我が娘"
でもあります。
彼女の言葉が少しでも皆さんの胸に響くことを、心子と共に祈っています。
よろしくお願いいたします。
カバーの折り返し
激しい感情の荒波に巻き込まれ、壮絶ながらも、ピュアでドラマチックなラブストーリー。
心子が欲するのは、ただ無際限の愛情だけだった。
現在増えつつあるボーダーの、赤裸々な姿を描いたノンフィクションがここに。
著者について
京都大学工学部建築系学科中退。
日本映画製作者連盟城戸賞、小学館新人コミック大賞、講談社ちばてつや賞受賞。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
京都大学工学部建築系学科中退。日本映画製作者連盟城戸賞、小学館新人コミック大賞、講談社ちばてつや賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
About this Title
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