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塩の道 (講談社学術文庫 (677))
 
 

塩の道 (講談社学術文庫 (677)) [文庫]

宮本 常一
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

本書は、生活学の先駆者として生涯を貫いた著者最晩年の貴重な話――「塩の道」「日本人の食べもの」「暮らしの形と美」の3点を収録したもので、日本人の生きる姿を庶民の中に求めて村から村へと歩きつづけた著者の厖大なる見聞と体験が中心となっている。日本文化の基層にあるものは一色でなく、いくつかの系譜を異にするものの複合と重なりであるという独自の史観が随所に読みとれ、宮本民俗学の体系を知る格好の手引書といえよう。

著者紹介

1907年、山口県に生まれる。天王寺師範学校卒。武蔵野美術大学教授。文学博士。日本観光文化研究所所長。1981年没。主著は『宮本常一著作集』(30巻)『私の日本地図』(15巻)ほか多数。学術文庫に『民間暦』『ふるさとの生活』『民俗学の旅』などがある。


登録情報

  • 文庫: 220ページ
  • 出版社: 講談社 (1985/3/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061586777
  • ISBN-13: 978-4061586772
  • 発売日: 1985/3/6
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By くま
形式:文庫
信濃などの山の中でも当然のことながら塩が必要とされた。その塩を運ぶ道は街道ではなくそれに沿った細い道が使われている。なぜか。牛で運ばれていたからである。途中で草を食べる必要があったのだ。等々、綿密な民俗調査から明かにされる昔の人の生活の知恵の数々が次々と出てきてなかなか楽しかった。例えば塩サケなどは保存のためだけではなく、その塩を必要とされていたのだということ。あるいはニガリのある「悪い塩」をわざわざ買い、そのニガリを抜く事で山中の人々は豆腐を作るためのニガリを確保していたのだということ。

長い歴史の中で「道を開く」という事はどう言う事なのか。その道が必ず海に通じていたという事はどう言う事なのか。「道も一つの遺跡である」街道などの当時のクニが作った道だけでなく、民衆が作ってきた道をどう見るかという視点をくれたことが今回の収穫であった。

宮本民俗学は柳田民俗学とは違い、綿密な民俗調査のあとがはっきりしていたり、歴史文書資料の活用など、学術性が高いところに特徴がある。しかもその眼差しは常に民衆の立場に立ち温かい。それは彼自身が若い頃からずっと自分の足で日本中をくまなく歩いてきた成果なのだろうと思う。

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36 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
表題にもなった「塩の道」と、「日本人と食べもの」「暮らしの形と美」、そして田村善次郎氏の解説という四部から構成されている。
表題の「塩の道」は、長野・岐阜周辺の山間部において、人々が必需物資としての「塩」を入手するためのドラマを描く。余談として語られる、近江周辺の製鉄技術伝播のくだりはとても興味深かった。

ただ、史学界ではほぼ否定されている江上波夫氏の騎馬民族学説に依拠するなど、専門の歴史学者ではない私から見ても学問的に誤っていると断定できる部分が、本書に散見される(初出が2、30年前であることを考えると仕方ないのかもしれないが)。しかし、著者のやさしい語り口調と博識には、それを補って余りある魅力がある(村の古老の昔話のようだ)。読み物としてかな!りお勧め。

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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
「民俗採訪」という言葉があるそうです。民俗学者の中でも随一と言われるほどのフィールドワーク、民俗採訪をこなし、その経験をもとに、日本人の生活の基層に流れるもののありようを探り続けた著者晩年の講演集で、三つの異なるテーマが採録されています。中でも三番目の「暮らしの形と美」が最もとっつきやすく印象深い。

日本列島というカプセルの中に、異なる系譜をひく人々が数次にわたって流れ込み、様々な文化をもたらし、日本の風土に適応していくための工夫・改善を繰り返す中で、日本の社会が形作られていく様が、いくつかの事例をもとに素描されます。環境の違いから来る地域性が産業の発達を促す一方、その交流によって、ネットワークが形成され、国としてのまとまり・民族としての一体感が形作られ、強化されていく。長い年月に繰り返されるこうした生活における適応が、私たちのデザインや色における美意識の基底をなしていることも知れます。トヨタに代表されるカイゼンも、ごく自然に我々日本人のDNAとして理解されます。推論であって、荒い内容ですが、色々考えさせられます。ちょっと日々の生活を離れ、歴史的文脈の中から、自分の血肉を形作る日本人の民族性に思いを馳せるのも良いものです。

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