タイトルから連想すると、世界が塩に変わっていくものかと思いきや、人間が塩の
オブジェになってしまう恐ろしい話です。
簡単に説明すると、宇宙から飛来した謎の巨大物体が、世界中に落ちたその時から
生きている人間が塩の塊に変化し、その後もその現象は、はっきりした原因や因果
関係など不明な<塩害>として続いていく。
そして、そんな世界になった時、普通に暮らしていては出会うことなかった、女子
高生・真奈と空自の戦闘機乗りだった秋庭が出逢い、さらにその2人が、<塩害>に
かかり残された時間がわずかしかない2人の人間と関わったことで、世界が再び
変わることになるというストーリーです。
それにしても、以前読んだ『クジラの彼』でも、思ったことですが、有川さんの書く
人物は、女性が強くて、男性が臆病です。
何しろ、塩害を止めるために、危険な任務についた秋庭は、「単に好きな女が塩に
なるのをみたくなかった」という理由で、真奈のいるこの世界を守ろうとしますが、
その当の真奈が、「たったひとりが手に入れば世界が滅びてもいい」と、恐ろしい
くらい正直な気持ちで秋庭の任務を止めようとします。
そして、最後には、そのものすごく自己中心的な想いと同じくらいの強さで、無事に
帰ってくることを信じて待つことができる面も持ち合わせています。
恋する女性の想いは一途で強いです。だからこそ、物語はもちろんハッピーエンド。
『クジラの彼』同様、とっても大好きな1冊になりました。