1970年代と思われる中国に占領された新疆ウイグル自治区。
この首都にあるウルムチ博物館の学芸員アブリムクは、
展示してある古代ウイグル語で書かれた古文書を偽者ではないかとにらんでいた。
それはウイグル文字ではなく、今は書くものも読むものもほんの少ししかいない
ソグド文字で書かれていると思えたからであった。
さらに、古文書には「アトムボンビシ」と記されていた。
「アトムボンビシ」とは原子爆弾のことである。
この文字が古文書に記載されることはありえない。
アブリムクは、それがソグド文字で書かれた、現代ウイグル語だと見当を付けた。
いったい誰が何の目的でこの偽書を作ったのか。
そんなある日アブリムクは、突然現れた中国公安に拉致される。
連れて行かれたところはウルムチ市内の地下である。
そこには北京市内の地下に網の目のように張り巡らされていると噂に聞く共産党幹部逃走用の
地下道と同じもののように思えた。
アブリムクは地下道を通って、豪華な幹部用招待所に連れて行かれた。
冒頭はすさまじく面白い。
中盤、9世紀のソグド人の隊商と砂漠の中で時空が交錯する。そこもわくわくする。
しかし終盤、伏線の回収に必死となり物語が駆け足になってしまう。残念。