とにかく馬と男性主人公とのやりとりがおもしろく、馬の表情もユーモアたっぷりで、これがコンピュータグラフィックなのかと驚くほどです。大人でも声をげらげらたてて笑い転げました。すべてが単なるアニメではなく、登場人物達の豊かな表情いっぱいの画期的なコンピュータグラフィック作品です。ロボットも将来こうした表情を持つようになるのでしょう。そうした意味では大人も必見の作品です。
肝心の子供達の反応ですが、実の母親が魔女のような悪い女だと知ったときの恐怖があるのか神妙に見ていましたね。でも子供達にとっては大人の裏表もいろいろ知ることもできるし、夢と希望に溢れていることでも久々にウォルトディズニー作品の真骨頂を示している傑作です。
子供向けと言っても、映像が美しく、脚本や構成に非常に高い完成度があり、大人でも十分過ぎるほど楽しめます。しかも、ところどころ世界文学の”さわり”部分から着想を得たのでないかと思われることで、子供への良い世界文学案内となります。
(1)ラプンツェルの髪の毛が切ることにより神通力を失う:旧約聖書のサムソンとデリラの話
(2)彼女が深窓のもとに育てられ、生まれて初めて男性に会う場面:シェイクスピアの「あらし」の有名なセリフ:「あー、人間ってこんなに素晴らしいものなのかしら」(作品では感嘆でなく、フライパンでなぐるのが、また面白い)
(3)彼女は本当は王女だったという筋書き:東西の古典に見られる貴種流離譚。
こういう物語性の豊かさに加え、女性にとっては一番大事な?髪の毛に神通力をもたせ、その神秘性を誇張し、非常に印象的なほど美しく描いた点は素晴らしかったです。