ベストセラーとなった「
ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)」、「
ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)」の著者である堤未果さんの著作。私は、「貧困大国」の2冊を読んだあとに本書を読みました。
本書は主に、(a) 不正が入り込みやすい電子投票に反対して、ハンガーストライキをしながら活動を行う男性、(b) 軍の「だまし」ともいえるようなリクルートで戦場に送られる若者たち、について書いています。
本書に書かれている事実そのものは「貧困大国」と似ていますが、大きな違いは、アメリカの現状を著者とともに感じられる臨場感。
各地を旅し、人と会って話をし、考えたことが、著者の視点でかかれています。
そして、本書の副題が「なぜあの国にまだ希望があるのか」となっているとおり、アメリカの問題点だけでなく、おかしいと思うことに声をあげ、少しでも自分たちにできることをしようとする人たちの前向きな姿も記述しています。
アメリカは変なところも多い国ですが、さまざまな考えの人たちが主張を繰り広げて、変な方向に偏りすぎない国であることが本書を読んでいるとよくわかります。
著者がとりあげている一人ひとりはとても身近でいきいきと描かれていおり、とても興味深い。
(あまりにもブッシュ政権やイラク戦争を否定しすぎる傾向は、やや偏った立場からみているかなあと感じますが)、なかなか考えさせられる本です。岩波新書の「ルポ貧困大陸」の2冊を読んだ人でも十分に興味をもてる有益な本と思います。