特に20代の会社員に有益なアドバイスを、1項目地下鉄1駅分で読むことができる。
「新聞・雑誌だけではなく古典をじっくり読め」なんて、新聞すら読まない諸君には難易度が高いだろうが、ぜひチャレンジしてもらいたい。また「いたずらに効率化を追い求めるな。世の中が求めているのはあくまで質であって速さではない。質を高めてから速さを競うようになってからでも遅くない」とか「一人前と一流は大きな違い。二番をめざしていては二番にすらなれない」など、耳に痛い言葉もある。
ただし、本書はどちらかというと大手企業で上を目指す人のための本、という側面が強い。「コンビニで金を下すのがもったいないと言うが、急いでいるときはATMで並ぶより便利」「交通系ICカードには1万円づつチャージする」などという言葉は、平均より高い給料をもらっている人にしか言えないだろう。
また「同僚とだらだら飲むな」とか「残業は切り上げる」とか、まだまだ日本的な会社にいる人にとっては一人で実行可能かどうか。古い体質の会社では「飲み会や喫煙所での情報交換が重要」だったり、仕事が大してできなくとも世渡りや処世術で出世する人間がいるのも事実である(本書では「そんな会社は遠からず滅びる」というが…)
読む側は本書の志だけは胸に秘めて、自分のおかれた環境に対しては臨機応変にふるまう方が得策。でないとただの頭でっかち、浮いた奴になってしまうから。