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「生きろ」。
これが安吾のメッセージである。大義のために美しく死ぬのではなく、たとえ堕落しても、醜くとも生きることを安吾は主張する。これはまさしく戦後日本の原点にある健全な生の思想である。終戦直後、多くの日本人が同じことを考えたのではないだろうか。私はここに焼け跡の上にある青空を見るのである。
安易なロマンチシズムや虚飾を徹底的に排除し、リアリズムの果てにある美と真実を追求し続けた安吾のエッセンスとも言える評論が詰まった本。「堕ちることが必要だ」と訴えながらも、ニヒリズムに陥らず、不思議と暖かく前向きな安吾の世界観が、私は好きです。
「桜の森の満開の下」は、山賊と、彼に亭主を殺されその妻となった女の交流を描いたちょっと怖いお話。
他社版と違って、「堕落論」と「桜の森の満開の下」が共に収録されているお得な一冊です。
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