この本は、JALだけについて分析していると思ったら大間違いだ。JALテレビ、JAL住宅、JAL自動車と、10年後の日本が直面する企業に共通する構造問題を指摘しているようだ。大鹿氏なら、この本の視点で、他の業界も鮮やかに切って見せ、問題を提示することができるだろう。「いかがなものか」などと腕組みして思考停止しながらエリート面をしている経営者、学者、ジャーナリスト、その他の面々は10回ぐらい繰り返して読むべきだろう。「市場原理主義に基づく改革は悪だ」という日本の論調に、海外のビジネスマンは驚きを通り越し、無視し始めた。情緒的に居直る延命主義はビジネスばかりでなく、日本の政治や社会にはびこるガンである。読者も横並びで「お手々つないで沈没」がイヤならぜひ一読してほしい。他のJAL本を圧倒する内容で圧巻です。