この本の素晴らしいところは、解説通りにやっていけば、MySQLが一通り使えるようになることです。
この本は、Windowsで稼働させることを前提に書かれていますので、インストールに関してはWindows版のものしか載っていません。私が使っているFedora Coreでは、MySQLとPHP関連のパッケージはオプションになっていて、確認しながらインストールする必要がありました。でも、その他の部分は共通なので、解説通りにやっていけば大丈夫です。Linuxユーザーにも十分役に立つ内容になっています。
内容は、ルートパスワードのかけ方やユーザー・データベース・テーブル作成、データの抽出・編集といった基礎的なことから、ビュー・ストアドプロシージャ・トリガ・トランザクションの使い方、テキストファイルを読み込んでSQL文を実行といったやや高度な使い方まで広い範囲をカバーしています。最後の方では、ApacheやPHPと組み合わせてブラウザ上からMySQLを操作する方法が書いてあります。実用掲示板の部分だけやや難解ですが、他の部分はこの手の書籍としてはすごくわかりやすく書いてあります。
著者は実際に使い込んでいる方らしく、「PHPやSQLの地の文のところでは全角スペースを使わないように」とか「PHPプログラムで動作が怪しい部分はコメント化しておく」などの初心者向けの好アドバイスがあり大変好感が持てました。私もかつて悩まされたところなので思わずニヤッと。
この本に、MySQLのチューニングとか最適なSQLの書き方とかテーブルの正規化とか、大量で複雑なデータを扱うとき必要になる解説を求めてはいけません。また、多数のクライアントが同時にサーバにアクセスしたときに起こるデッドロックやデータの保全の問題も解説されていません。インターネット公開とか書いてありますがセキュリティ上十分な解説があるわけでもありません。ただし、入力者が少数で扱うデータ量がほどほどで小規模イントラネットで使うケースでは、十分すぎるほどの威力を発揮してくれる内容になっていると思います。
初心者の方にもお勧めできる良書です。