「基本ケースで学ぶ」というタイトルの通り、豊富な事例に基づき地域経済を巡る様々な理論を学ぶことができた。事例は、国内が東京、横浜・川崎、福岡、札幌、金沢、愛知県西三河地域、大垣、岡山県新庄村、由布院、海外がアメリカ・シリコンバレー、イタリア・ボルーニャ、イギリス・バーミンガム、ドイツ・フライブルクと多岐に亘る。
地域経済に関して多角的な理論が展開されており、産業クラスター化に対する懸念も示されている。経済再生の手段として日本でもクラスター化が提唱されているが、アメリカでうまく機能しているのは新自由主義の下でクラスター化がうまくいく諸条件が整っているからである。日本では日本に合ったやり方でクラスター化を推進すべきなのだろう。では、日本に合ったやり方とは何だろう。その答えを追求するのも学問だが、本書の中にも出てくる「内発的発展」は答えを見つけるキーワードになりそうだ。
本書を読みながら、改めて日本の地域再生について考えてみたい。