本書は、最近著しい進歩を遂げている埋込磁石同期モータを中心に'、その基礎理論、制御方法、設計法、センサレス制御についてまとめた専門書である。
永久磁石モータ(Permanent Magnet Motor,PMM)の原理、その設計法の基盤、制御方法の基本'的な考え方の確立に加え、定常・過渡特性を総合的に論じるための基礎理論の展開に努めるための、詳細な設計法を有限要素法との関連で明らかにし、さらに実用的な立場からセンサレス制御の方法と特性について説明している。
具体的な機器定数や実験結果を多く掲載し、基本的な事項についても丁寧に説明している点が魅力。
(著者は、元パナソニックで白物家電用のモータの研究開発を担当された方達です。)
PMMは、その高効率性が魅力的な製品であり、白物家電やHEV/EVに用いられている。
そのため、その出力帯は、数10kW〜数100kWと、小中容量帯(かつ低圧仕様)に位置することが通常である。
しかし、近年の新エネルギー開発への取り組みに応じて、メガワット級の大型風力発電システム用の発電機に、永久磁石式発電機(Permanent Magnet Generator,PMG)を導入する計画が、世界各地で立ち上がっている。
風力発電用の発電機は、メガワット級の出力帯での製品実績が豊富にある、誘導発電機(Induction Generator,IG)や、従来型の同期発電機(いわゆるACG)が、主に用いられてきた。
よって、メガワット級のPMGというものは、世界に製品実績は殆どないのが現状である。
(一部、海外メーカによって製品化されている物もあるが、現地トラブルに見舞われている模様。まだまだ製品技術が確立されていないのが現状である。)
近年、上記の流れを受けて、こうした大容量(かつ高圧仕様)PMGの研究・開発が、重電メーカで始められている。
重電メーカには、大容量機としての長い製品実績があるIGやACGについては、充分な製品技術・知見を有しているヒューマンリソースが存在するが、小物製品であるPMMやPMGについての製品技術を熟知している人間は、ごく限られており、開発計画時に、この点で苦労するのが通例である。
本書は、こうした大容量PMGの研究・開発エンジニアにとって、非常に有益な教科書であり、重電メーカの電気エンジニアには嬉しい一冊です。