十年以上前に、井上老師に指導を受けた時のことをはっきりと覚えている。
禅は苦行ではない。足が疲れたら伸ばせば良い。眠くなったら部屋に戻って寝て良い。しかし元気になったらまた座れば良い。この教えに従って一日十時間以上座った。これは、体には無理のない行であったが、心には非常に苦しい体験であった。どんなに自分が雑念に満ちているかを実感した。
そして、老師の言われる通りに、ひたすら呼吸に気をつけて座っているうちに、すーと心が晴れて行く瞬間に気がつくようになった。
いろんな人の禅の体験記などを読むと、作法の厳しさで苦しんだり、足が痛い、眠い、寒いという苦行の末に、終わった時の開放感が大きな喜びとして書かれていることがある。
しかしこれでは厳しいスポーツの練習とあまり変わらない。フルマラソンでも同じような開放感を感じることができる。井上老師の教えは、それとは全く違う。
この本を読んで、何か自分に大切なものがあると思えたら、井上老師のホームページから、連絡をとってみたら良いと思う。