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27 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ぽっかりと哀しい,
By 読者 (宮城県仙台市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 坊っちゃん (岩波文庫) (文庫)
夏目漱石さんの有名な小説。よく痛快だと言われている(ような気がする)。 しかし私には最後まで、いつも、どこか哀しかった。 主人公で、語り手である「坊っちゃん」は、ほとんど一人だ。 はじめから最後まで、味方と呼べる人間はほとんどいない。 家族でさえ否定的で、冷淡で、「親譲りの無鉄砲」とはいうものの、 その裏側に乾いた「諦観」すら感じてしまう。 それでも不思議と深刻さを感じさせないのは、 彼が自分に同情しないからだと思う。そして「清」の存在。 もう「坊っちゃん」ではなくなった語り手が語る、 「坊っちゃん」だった頃のエピソードは、それがまっすぐで 痛快であればあるほど、同じくらいの強さで哀しくなる。 面白いのに哀しい。ぽっかりと哀しいのに、十分すぎるほど面白い。 お見事。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
強がり者の寂しさ,
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レビュー対象商品: 坊っちゃん (岩波文庫) (文庫)
「人間は好き嫌いで働らくものだ。論法で働らくものじゃない」(本文より)個人的には、清に長々とした手紙を書こうと思い、あれこれ悩んだ挙句に「手紙は向かん」といって放っぽりだしてしまう坊ちゃんのシーンが好きだ。 坊ちゃんの不器用さと、清への愛情の描写がいい。 この物語の中で要になっているのは、「清」の存在だと思う。 田舎に来て一人ぼっちになり、逆に清の存在の重さを知って、帰っていくその姿。 田舎への赴任はまるで、坊ちゃんの「家出」冒険のようにも見える。 最後の一文は、なんとも切ない。 強がり者の寂しさが、じわりとにじむ読後感。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
言わずと知れた、明治の文豪の中編小説,
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レビュー対象商品: 坊っちゃん (角川文庫) (文庫)
言わずと知れた、主として明治時代に活躍された、日本を代表する文豪による、初期の中編小説である。 著者ご自身が愛媛県尋常中学校で教鞭をとられていたことがあり、その 体験を基盤に後年書いたとされる小説である。 「親譲りの無鉄砲で子どものころから損ばかりしている」主人公の坊っ ちゃんは、誰よりも坊ちゃんに理解を示す下女・清から渡されたお金を 握りしめ、四国の旧制中学の数学教師として赴任する。 最初に校長(狸)から説明を受け、教師という仕事がいかに窮屈かを知っ た坊っちゃんは、すぐに校長に辞意を明かすが、何とか思いとどまり 授業を持つことになった。東京とは違う田舎で狭い町では、毎日の温泉 通いや、天麩羅そばを食べたこと、団子を食べたことさえも、生徒の 話題のタネとなってしまう。初めての宿直の際には、生徒からひどい いたずらの洗礼もあり、真っ直ぐな坊っちゃんはいよいよ腹を立てるが、 事なかれ主義に徹する教師が多いこの学校の気質と折り合わない。 そして、文学士の教頭(赤シャツ)とその太鼓持ちの野だいこの色恋 沙汰を巡る陰謀や、自分と同僚の山嵐への策略を知ることになる…。 見事な描写とストーリー展開に、わくわくしながら一気に読み進めて しまう作品である。大衆的な作品で、多くの人に読まれ愛され続けて いる、一読しておきたい作品である。
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