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坂口安吾 百歳の異端児
 
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坂口安吾 百歳の異端児 [単行本]

出口 裕弘
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

今なお光を放つ卓抜な日本論の数々、そして甘美な恋愛小説など、傑作を次々と生み出す一方、隙だらけの文章で暴走し、読者を振り回す―。矢田津世子との不毛の恋に身をやつし、果敢な文学追求の道半ばで逝った正体いまだ不明の愛すべき巨人・坂口安吾を、生涯をかけて読み込んできた著者が、その魅力も弱みも大胆に語り尽す。

内容(「MARC」データベースより)

卓抜な日本論の数々、甘美な恋愛小説など、傑作を次々と生み出す一方、隙だらけの文章で暴走し、読者を振り回す-。生誕100年、正体いまだ不明の愛すべき巨人・坂口安吾の魅力と弱みを、大胆に語り尽くす!

登録情報

  • 単行本: 224ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/7/28)
  • ISBN-10: 4104102040
  • ISBN-13: 978-4104102044
  • 発売日: 2006/7/28
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 639,931位 (本のベストセラーを見る)
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By エパメイノンダス トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
わかりやすくすっきりした内容とはなっていないし、え?なんでこの作品は語らな

いの?という箇所もいくつかあるけど、坂口安吾とは何者か、ということを著者出

口氏が四苦八苦しつつ格闘して書いた本。出口氏は若い頃から坂口安吾の本をリア

ルタイムで読んでいたそうだが、そのときから安吾の小説・評論に手放しで賛同し

ていなかったし、すごく好きなところもあるけど違和感もかなり感じていた正体不

明な人間だったとか。

結局のところ、坂口安吾とは何者かということについての出口氏の結論は、「小説

家としては大成することができなかった。終生、大問題を扱いたいという意欲にペ

ンがついていかなかった"自己未発見"の文学者」「何をどう書けば自分の才能を開

花させることができるのか、その肝心かなめのところでいつも自分を見損なってし

まった大器」ということになる。その観点から坂口安吾全集は「高級雑文全集」だ

とさえ言い切る。字面だけ見ると冷たい批判的な内容に見えてしまうが、実際のと

ころ書中では愛情あふれる書き方になっていることを付け足しておきたい。
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形式:単行本
坂口安吾はしばしば極論・暴論を語る。自分はそのことを,安吾の「芸のうち」と感じていたので,ここまで安吾の極論・暴論にまじめに向き合われると,正直めんくらってしまう。たとえば著者が,激情に駆られた「軽率のなせるわざ」と評価する,特攻隊に関する文言(正確を期すために要約はしない)は,自分には,安吾にしか書けない文章であって,安吾の脳,目,手をまざまざと感じられる,と思うのである。

また,著者は自らの「生活」に対する考え方を,安吾のそれになぞらえているようなのだが,安吾はともかく,著者は誰に恥じることのない大学を出て,誰に恥じることのない大学で教員を勤めてきた人物で,「相当の」文化的エリートである。エリートが非エリートに自分をなぞらえるのは,だいたい気持ちのよいものではない。加えて,他人の思考や文章を,自分の頭で理解できないから「軽率のなせるわざ」だなどと評価することこそ,エリートのエリートたるゆえんだと,言いたくもなってしまうのであった。言論は自由なのだから何を言ってもかまわないとしても,エリートこそ,後出しじゃんけんのような行為には慎重であるべきだと思う。

最後に,フランス文学者である著者らしく,坂口安吾がドストエフスキーやバルザックを,またフランス文学全般をいかに受容したかについての指摘は,なるほどと思い,たいへんよくわかった。著者の安吾に対する思い入れも,よくわかる。どうやら安吾には,高次脳機能障害の疑いがあったらしい。
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8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
忘れ去られるかと思われた坂口安吾が息を吹き返した。忘れられかけたのは、型にはまらない個性と透徹した眼識でセンセーションを巻き起す一方で小児的な放言をまき散らした咎であると言ってよいだろう。坂口の見識に惹きつけられて止まない一般読者にとっても坂口はとらえどころの難しい作家であった。本書の著者はその坂口の魅力に60年来まとわりつかれてきた。ここにはその必ずしも評論を本業としない著者が長年にわたって倦むことなくたくわえてきた安吾観が彼の生誕百年を機として開示されている。その手法は不即不離とでも言うべきもので著者は安吾に思いをめぐらしながら己の来し方を振り返っている。(著者による日本の詩歌の引用は見事である。)思うに読書体験とはそのようなものであろう。結果として著者は独断から自由でありその言は安吾自身によっても啓発的なものとして受け入れられるのではないだろうか。

結論らしきものは最終章に集まっている。「小説よりエッセー、時評、古代史推理、各種観戦記、風俗談義などのほうに安吾人間学の本領があると考えるのが私の主観だ」というがそれは多くの人の主観と一致するものだろう。評者の坂口作品へのエントリー・ポイントは彼の古代史観であった。しかし、本文の多くは安吾の小説と取り組んでいるような印象がある。小説こそが安吾が格闘して敗れ去った鬼神だからであろう。
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