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およそ日本がロシアに勝てる状況ではありませんでした。実際に読んでいても『本当に勝ったの?』という思いは消えません。筆者もそう考えているからです。
この会戦における最大の要因は『敵将の無能、敵国の官僚化』だとすることができます。戦争において自己の保身、利益のみを追求する腐敗官僚主義が主導権を持つことはそのまま滅亡に繋がることがよくわかります。
腐敗官僚が指揮する戦争においては、ロシアほどの大国をして、武力、経済力の面で弱小といわざるを得ない日本のような小国にさえ負けさせてしまいます。驚くべき事実ですが本当のことでしょう。
日本男児としては痛快な快進撃を期待してしまうところですが、事実は全く違います。驚くべきとしか言いようのない臆病、保身、官僚主義が“無能”という致命的欠点となって日本を勝利に導きます。
人生においても学ぶべき教訓が明確に描かれています。
「余談」でさまざまなエピソードを挿入させる氏独特の構成には脱帽。
これから読もうとしておられる方に一言。なるべくなら時間にゆとりがあるときに読みはじめることをお勧めする。とにかく息がつけない。睡眠不足になること請合いだ。
そしていよいよバルチック艦隊が日本海に接近する。艦隊を初めに発見した沖縄の人々の挿話が収められている。本土に電信を送るために命を賭しながら、結局第一報となることを逃してしまうのだが、そんな市井の人の活躍が清々しい。
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