地震予知の歴史や最近の地震研究は、だいたい理解できる。川崎先生が他の本でも述べているアスペリティ理論であるが、アスペリティは、不連続岩盤の力学で1990年代から論議され、様々な考えが報告されている。岩盤ばかりでなく、物体の接触面では、凹凸があるので、この考え方の適用は当然考えられる。プレート境界は、単純に考えても地温勾配で3℃/100mで10kmで300℃、地圧は、単位体積重量を3t/m3と仮定して、10kmで30,000t/m2なり、岩盤の挙動は粘弾性になると考えることが妥当であるが、粘弾性体が急激なエネルギー放出するような破壊過程を示すとは考えにくい。また、このような挙動をComputerでSimulationするための構成方程式が示されていない。
一般向けに書かれた本なので、高度な岩盤力学の考えや地質工学を省いていると思われるが、素人の誤解を招くに十分な内容である。