出版社/著者からの内容紹介
■ 秋田県よい本をすすめる会特選図書 ごめんね、置き去りにして
道路はずたずた、陸の孤島となった村は、
自衛隊のヘリコプターで全員の避難が緊急決定。
でも、ペットをつれてはダメとの指示が…。
すぐに、かならず迎えに来るからね。
「この犬は、家族も同然なんです。どうか、
いっしょに乗せてください」――。
泣く泣く犬や猫を残してヘリコプターに
乗った飼い主たちは、胸がはりさけそうでした。
【はじめに】より
新潟県のほぼ中央に位置する中越地方は、米どころで知られています。稲刈りが終わった田んぼが夕日に照らされて、どこまでも広がっています。
二〇〇四年十月二十三日の夕方、ここを震源地とした中越地震が起きました。川口町で震度七、小千谷市、山古志村、十日町市では、震度六強の激しい揺れを観測しました。
山は崩れ、道路はひびが入り、あちこちで寸断されました。大きな余震がひっきりなしに続き、子どもも大人もおびえるばかりで、なすすべがありませんでした。
静かな町や村で穏やかに暮らして来た人々の生活も、代々受け継がれて来た「ふるさと」の風景も、一瞬にして、それまでとは全く違ったものになってしまったのです。
この中越地震で亡くなった人は六十七人、けがをした人は約五千人におよびました。また、避難した人は十万人、壊れた住宅は十二万棟に上るなど、新潟県内に大きなつめあとを残すことになりました。
この地震で被害をこうむったのは、人だけではありません。いっしょに暮らしていた動物たちも、幸せを奪われてしまいました。
余震が続いて混乱する中、飼い主とはぐれた犬や猫がさまよいました。「全村避難」となった山古志村では、動物だけが置き去りにされました。避難所や仮設住宅で飼い主といっしょにいることを許されず、動物保護管理センターに預けられた動物がいました。さまざまな事情で、動物たちもつらい日々を過ごさなければならなかったのです。
けれども、道路が復旧し、壊れた家が修理されたり建て直されたりして、少しずつ街がよみがえってきました。飼い主の生活が元通りになるにつれて、動物たちの目にも輝きがもどってきました。
動物保護管理センターに預けられていた動物も飼い主の下にもどり、ようやくいっしょに暮らせるようになりました。一方、やむをえない事情で飼い主から手放され、新しい飼い主の下に落ち着いた動物もいました。
被災地の人たちにとって、地震で失ったものは少なくありませんでしたが、生まれ育った「ふるさと」を思う気持ちは、前よりも強くなりました。また、家族の絆を確かめ合い、動物と暮らせる喜びをあらためて感じることができました。
さらに、この中越地震は、動物といっしょに生きるためには、私たちがどうすべきかを教えてくれました。置き去りにされた動物たち不幸な運命を背負った動物たちが、その健気な姿で、私たちに大事なことを教えてくれたのです。
内容(「BOOK」データベースより)
道路はずたずた、陸の孤島となった村は、自衛隊のヘリコプターで全員の避難が緊急決定。でも、ペットを連れてはダメとの指示が…。すぐに戻って来られると思ったが、いつまでも続く余震に、避難指示は解除されず、飼い主たちが村に入ることは、かなわなかった。新潟県庁の生活衛生課や動物保護管理センターの職員たちは、取り残されたペットたちのために村に向かい、困難な状況の中で、救援活動を始めた。小学校中学年以上向き。