防災袋に必携!! グラッと来てもあわてない!!
限られた状況、食糧で生き抜くための料理技。
かつて地震の無風地帯だった関西において1995年1月17日、死者6000人以上、
負傷者数4万人を超す被害状況を示した阪神・淡路大震災は、日本国中、どこに住んでいても地震対策の必要なことを示唆する災害だった。
この時、死傷者のもっとも多いエリアに住んでいた著者とイラストレーターは、
当時を振り返り、この被災状況をどう乗り越えてきたか、無我夢中だったと声を揃える。
キッチンスタジオを主宰、以前から食育に力を入れ、また、高齢者でも安心して使える“炎のない調理”システム電化調理を推進してきた著者は、
サバイバルクッキングにも造詣が深いことから、知恵と工夫を織り交ぜた、
電気が復旧するまでの被災現場の食を再現する。
被災時に凝った料理や手間のかかる食事などつくっていられない。
それよりも大事なことは、食中毒などの二次被害を起こさないための衛生面に注力した料理法である。
そして、限られたエネルギー、水などを有効活用した省エネクッキングである。
著者の被災時における簡単レシピをイラストで分かりやすく絵解きした本書は、
具体的かつ実践的な被災時の料理本として役立つこと請け合い。
緊急事態において一番頼りになるのは、基本に立ち返る考え方だ。
ここに軸足を置いて、日頃から“何気なく”用意しておきたい防災グッズ・お役立ち小物、
また、地震に見舞われた時のアルミ缶を利用した携帯ランプ、コンロやカマドの作り方など、
参考になるイラストを満載。
グラッときてもあわてない。命あってのものだね。本書の仕立ては、そこから入る。
まず、生命の確保から手持ち食糧の確認と保存法である。
ライフラインの復旧は電気、ガス、水道の順番ということらしいが、電気が通じれば何とかなる。
それまでの3日間から1週間をどう食いつなぐか。
筆者の場合、「いまの日本で信じがたいことだが、配給食が手元に来たのは6日目だった」という。
日が経つに連れ、冷たいままの配給食では味気ない。
この配給食リフォームからはじまり、省エネクッキングで、被災時とはいえ人間らしい温もりのある食卓を演出する。
その基本形は“フツーの食事”であり、ごくごく普通のごはんとおかずが何よりもご馳走という視点に立つ。
アウトドア志向の人にとっては、当たり前の料理法でも、大事なことは、
それを日頃、日常生活の中でマスターしておくことだ。
そうすればあわてなくて済む。被災時に手の込んだ料理など必要ない。
誤解をおそれずに言うなら、ちょっと“横着な”発想で料理をつくる。この横着さが身を助けるのだ。
いずれ日常生活にもどれる。そんな暢気さが必要だ。サバイバルの基本は日常にある。