ムック本を文庫化した本。文庫化にあたり、ムック本では紹介していた自称「地震予言者」のホームページ紹介を削除。大震災後に彼らが地震予知を外しまくっているからである。この時点で胡散臭さ満点。
地震雲と称して幾つかの雲を紹介しているが、いずれも明らかな飛行機雲か、あるいは「雲のカタログ」にみられる気象学的に分類名を持つ一般的な雲ばかり。地震雲を研究するなら、まず気象学のイロハくらい学んではいかがか。そもそも、東日本大震災の地震雲が神奈川県川崎市にだけ現れているというのも、おかしいと思わないのだろうか?
科学者が登場して、もっともらしいことを述べているが、全く科学的に根拠や証拠がない。安易な類推をもとに「地震の前兆として電磁場が乱れるのだ!」などと結論づけるその早急さが、全く科学的じゃないので呆れる。こういうひとたちが「地震は予知できる」と言い張って研究を続けているのだから、地震が一向に予知できないのも納得である。
特に、「電磁場の乱れで動物の異常行動や地震雲を引き起こすのです!」ときっぱり断言している科学者が笑える。だったらなぜ、異常行動の報告日時・時刻がまちまちなのだ? 地震直前という報告もあれば、地震の1カ月前という報告もある。本書にもあるとおり、日本にはペットの犬猫が2400万匹もいる。それだけいれば、地震当日に具合が悪くなる犬もいるだろうし、地震直前に死ぬ猫だっているだろう。
統計学、心理学、気象学に全く無知で、かつ物理学さえも分かっていない無能な科学者が、日本の地震予知を担っているのだ、ということが良く分かる本である。