他の先進国と比べ日本はインターネットでは後塵を拝してきた。
残念ながら原発震災というカタストロフを受けて、やっと日本人もネットの「力」に気づいた訳だが、「too late」の感は否めない。
ネットの停滞の原因の一つに「編集」の素人臭さへの敬遠があったろうと思う。
今年めざましい活躍を見せているフリー・ジャーナリストの筆頭は岩上安身氏だが、彼がUstで運営する「IWJ」はお世辞にもプロの仕事からは乖離している。しかし、これまで一般人が目にすることのできなかった記者クラブの実況という「生」を視聴できた衝撃は、「事件」以外の何者でもなかった。
「IWJ」を「動」的コンテンツとすれば、神保・宮台コンビの「videonews.com」はそれの対極にある。週一でスタジオ形式の配信はTVで育った我々に最もフィットした絵作りだ。ただ内容はTVを遥かに凌駕するものである。311以降、広瀬隆氏を登用したのも小出助教に取材したのも、この番組が最も早かった。さすが神保哲夫。地味だができる男である。
出版というものをご理解なさってない方もいるようなので、あえて蛇足を。
このご時勢、金にもならない本をなぜ出すのか。
百科事典から漫画雑誌に至るまで全ての出版物は国会図書館に収蔵される決まりになっている。未だ不完全ではあるがIDさえ登録しておけばPC上で閲覧可能となる。つまり商品としての本が資料として保管されるのだ。情報の担保を取っておくことの重要性は常識である。
地上波で孤軍奮闘の玉川徹(テレビ朝日)にもエールを送りたい。彼の役職は知らないが「モーニングバード」で小出氏へのインタビューを放映したり、節電ムードに釘を刺したり。
これもネットの力、すなわち市民の声が巨大資本を動かした証左と言えるだろう。