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地球白書2009-10
 
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地球白書2009-10 [単行本(ソフトカバー)]

クリストファー・フレイビン , 後藤敏彦 , 武内和彦 , 浜中裕徳 , 林良博 , 原剛 , 福岡克也 , 松下和夫 , 森島昭夫 , 安井至 , 大和田和美 , 北濃秋子 , 木村ゆかり , 木下由佳 , 五頭美知 , 高木友美 , 富田輝美 , 浜崎輝
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商品の説明

内容紹介

本書に寄せて 気候変動に関する政府間パネル 議長 ラジェンドラ・パチャウリ ワールドウォッチ研究所の年次刊行物である『地球白書』は、地球の物理的状況だけでなく、生態系や自然資源と深いつながりのある社会経済システムについての理解と洞察を促すものである。今回は人類文明の存続を左右する気候変動に焦点を当てて、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第四次評価報告書の結果に基づいて論じられ、世界が直面している極めて困難な課題に立ち向かう上で、人類が緊急に策定しなければならない政策の全体像を示しているという点で、とりわけ興味深い内容となっている。旧態依然としたアプローチに固執して何も対策を講じない場合と、気候変動の最悪の影響を回避するために温室効果ガス抑制、削減策を講じる場合とでは、どれだけ差が生じるかを明確に論評している。 この数か月、一部の専門家から穀物の世界市場の需給不均衡に関する懸念の声が相次いでおり、実際、地球上でもっとも深刻な貧困にあえぐ人々に打撃を与えている。とくに、平均気温が産業革命以前の水準より2.5℃上昇すれば、気候変動により穀物生産が脅かされることが、いっそう明らかになりつつある。他の地域にくらべて一部地域が、より深刻な影響を受けることも予測される。たとえば、アフリカでは、気候変動の影響で、7500万~2億5000万の人々が、早ければ2020年には深刻な水不足に苦しむと推定される。アフリカ大陸の一部諸国では、2020年までに農業生産高が半減する危険性もある。また、海抜が数メートル程度しかない陸地からなる小島嶼国は、洪水や暴風雨の危険が高まり、すでに生命と財産が大きな脅威にさらされている。 こうした状況下にあって、短期間で排出削減に有効な技術を開発・普及するために重要なことは、炭素に価格を付けることである。そうすれば、消費者のみならず生産者にとっても、削減への大きなインセンテヴとなる。また、セクターごとに適切な水準を定めて、順守を促すことも重要だ。 本書は、各章ごとに論理的に構成され、問題の理解に欠かせない流れを明確に示し、とるべき行動の方向性を定めるうえで大いに手助けとなる。とくに温室効果ガス濃度の安全な水準についての説明が極めて適切である。 本書が伝えるもっとも力強いメッセージ―それは、「世界が早期に適切な対策を講じ、行動を起こさなければ、気候変動の影響は、人間の適応能力を圧倒するまでに深刻化する」ということにほかならない。

著者について

※ワールドウォッチ研究所: 1974年、レスター・ブラウン氏が米国ワシントンDCに設立。独立非営利の研究機関。雑誌"World Watch(ワールド・ウォッチ)"と、"State of the World (地球白書)"など多くの国々で読まれている。 ※クリストファーフレイヴィン:
1955年、カリフォルニア州に生まれる。1977年にワールドウォッチ研究所へ。1990年に研究担当副所長に就任、2000年にレスター・ブラウンにつぐ第2代の所長に就任。 気候変動・エネルギー関連が専門。リオ・デ・ジャネイロ地球サミット・京都会議・ヨハネスブルク地球サミット等に参加。その他、多くの気候変動・エネルギー関連の研究プロジェクトを手掛ける。The New York Times、Technology Review、The Harvard International Review、Time Magazineにコラム等掲載。BBC、CNN、NPR、Voice of America、PBS等に出演。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 391ページ
  • 出版社: (株)ワールドウォッチジャパン; A5版 (2009/12/24)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4948754358
  • ISBN-13: 978-4948754355
  • 発売日: 2009/12/24
  • 商品の寸法: 21.2 x 15.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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この年の地球白書では、表紙に記されているとおり地球温暖化抑制に焦点を当てています。

先ず、驚いたのは地球の生態系の脆さです。
産業革命以前より1〜2℃という範囲を超えるような気温上昇があると、
急速に不都合な変化を起こす可能性があることを主なリスクを挙げて訴えています。
(本書執筆時点で、産業革命以前より0.75℃ほど既に上昇)
地球温暖化に関する本は何冊か読んでいましたが、地球の生態系の脆さを強く再認識させてくれました。

そのうえで、地球温暖化抑制策を提言しています。

土地利用(農業・林業・畜産)については、
化石燃料と並ぶ二酸化炭素濃度増加の2大要因であり、輸送部門よりもはるかに大きいため、
温室効果ガスを削減するような土地利用に転換すべきとしています。
そして特に効果が期待できる様々な取り組みを提示しています。
これらの取り組みは既に実用可能であり(また更に開発が進められており)、また実施もされているものです。
転換の初期投資は必要ですが、現行の手法と同等以上の利益が得られるとのことです。
また、炭素の地下貯留など現在議論されている多くの解決策に比べ、はるかに安い費用で実現可能とのことです。
更に、取り組みの中には化石燃料の燃焼によって排出される全ての二酸化炭素を相殺できるものもあるようです。
これらの取り組みは、既に行われモデルの基盤が充実しているのですが、
規模が小さいため、関係者を巻き込み連携させていくことが必要だとしています。

地球温暖化抑制と聞くと、先ず再生可能エネルギーを思い浮かべるのですが、
土地利用の適切な取り組みでかなりのことができるというのは新たな発見でした。

エネルギーについては、
先ずはエネルギー効率を上げてエネルギー需要を減らし、
その絞り込んだエネルギー需要の大部分を再生可能エネルギーで満たすことが必要だとしています。
エネルギー効率を上げるためには、省エネ住宅・分散型発電・スマートグリッドで対応すべきであり、
更に、廃熱・廃棄物といった無駄なものの再利用や、LED電球の使用などの省エネも推進すべきであるとしています。
再生可能エネルギーは大きな課題が指摘されてはいるものの、
実用可能な技術・導入事例等を踏まえて、いずれも克服可能であるとしています。
(大規模発電は無理、ベースロード電力は無理、100%バックアップが必要、本格稼動は数十年後、など)
そして、これらを推進していくためには政府のイニシアティブで様々な政策を導入していくことが必要だとしています。
(租税・インセンティブ・規制・固定価格買取制度・化石燃料への補助金廃止・研究開発投資、など)

ちなみに世界の主要経済国20ヶ国において、
・2030年の電力供給のうち再生可能エネルギーが電力源に占める割合の予測
・2030年の熱供給のうち再生可能エネルギーが占める割合の予測
いずれにおいても日本は下から数えたほうが早い順位になっています。情けないですね。

ただ、本書を読む限りでは、原子力発電所が不要になるかはわかりません(本書では不要としていますが)。
例えば、ジェームズ・ラブロックガイアの復讐では、再生可能エネルギーへの移行措置として原発を認めています。

一方で、これらの地球温暖化抑制策を待っている余裕はないとして(既に異常気象の被害がでています)、
地域特性に相応しい適応戦略を併せて実施することが必要であり、
特に影響を受けやすい低中所得国(都市部・農村部ともに)に求められるとしています。
また、適応戦略を検討・実施する際には、以下のことを考慮すべきとしています。
・社会経済と生態系やその関連に配慮した施策
・コミュニティ主導型での実施(地域によって現状や温暖化の影響は異なる)
・単に現状回復という適応だけではなく、持続可能な社会へと前進するような適応
・可能なものについては適応に併せて、温暖化抑制策の組み込み

そして、これらの施策を実施することで地球温暖化を抑制するためには、
全ての国が合意できるような仕組みが必要であるとして、様々な案を提示しています。
なかでも「責任」(温室効果ガス累積排出量)と「能力」(国民所得)の違いを踏まえた実践を強調しています。
これを国家単位だけでなく、個人にも当てはめることで公平性が確立されるとしています。
(貧困国にも富裕層はいますし、富裕国にも貧困層はいますので)
ただ、提案されている何れの案も、国際的な合意形成は容易ではない、という印象を持ちました。
地球温暖化抑制の技術は出揃っている(出揃いつつある)が、人間の意思決定が最大の壁、ということでしょうか。
まあ、どんな変革も「最後は人」といわれていますので、当然といえば当然のことなのですが。

あと、「温暖化対策:論壇と取り組み事例」として、
22の事例を130ページ近くにわたって、地球温暖化抑制の事例を紹介しています。
また、付録として「気候変動関連の主要概念と用語解説」を設けて、
地球温暖化問題に初めて接する方に対してわかり易く基本情報を提示しています。
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