意外にも科学的に硬派な本で、IPCC統計手法を厳しく批判した科学本です。
IPCCの大量のメールを解読しながら、IPCCの統計の信憑性を厳しく検証しています。だから、ただの暴露本とは違います。
科学的な内容としては渡辺正&伊藤公紀の『地球温暖化論のウソとワナ』、赤祖父俊一の『正しく知る地球温暖化』を読んでいれば、新味は感じないと思う。
樹木の年輪の幅から再現した気温変化が、樹木の種類や生息場所や木の樹齢によって大きな違いがあること。そして年輪の幅から再現したグラフが、現代の温度計から再現したグラフと大きく違うことを知りながら、その事実を無視して、一本のグラフとして接合したら・・・IPCCのグラフの信頼性は損なわれるのは当然です。そしてIPCCのグラフを元にしたシミュレーションの信頼性も同時に損なわれます。
1980年頃からの急速な温暖化はいろんな温度計で確認できる事実ですが、過去1千年間では最高値かは不明です、そして過去1千年間に激しい気温の上下があったとすれば、二酸化炭素「犯人説」が冤罪である可能性が高くなります。
この本は、マンやジョーンズなどのIPCCの中心的科学者の言動や性格に注目し、メールを時系列で分析しているので、小説のような人間ドラマとしても楽しめます。ただSF小説のように専門用語がバンバン出てくるので、慣れてないと読みにくいです。マイケル・クライトンのSF小説『恐怖の存在』を楽しめた人には簡単に読めると思います。