共訳者に遠慮されたのか「山形節」が抑えめだし,邦訳タイトルは『地球温暖化という自然現象』くらいにしたほうがピンとくるけれど,そういうキズなどはどうでもよくなる迫力たっぷりの中身だ。
原著者たちは,いま地球が温暖化しつつあるとしても,そのほとんどは太陽活動の変動に起因する1500年周期のゆっくりした気候変動にすぎず,人間活動が出すCO2の寄与は無視してかまわない‥‥と,数々の「査読つき学術論文」をもとに論じきった。京都議定書にからむ温暖化談義は,「西側世界の多くを飲み込んだ一時的なヒステリー」だと断じ(p.382),「騒いで得をする人たち」が誰なのかをみごとに看破しているる(p.331)。人類に打つ手は何もなく,化石資源の使用削減(→生活レベルの低下)を叫ぶのは愚行の最たるもの。
願わくば福田総理や鴨下環境相など政治家諸氏も,環境省・経産省などの関連官僚諸氏も,まずは平常心になって本書を一読され,7月のG8洞爺湖サミットで寝言を吐かれないよう祈るのみ。