石油の価格が下がらない.つまり需要と供給が既に噛み合わなくなっているのだ.これこそ著者の説く最終オイルショックが既に始まりかけている兆候である.石油は 1950年以降狂気の如く採掘され (本文 p.91,図10),何時かは供給不足になる (peak out). 本書ではピークアウトの時期の予測に始まり,石油価格が暴騰する近未来の憂鬱な状況を精細に描写する.この部分が余りに凄惨なので,読み進むのが辛くなるが,そこは優秀なジャーナリスト (BBC御用) のこと,最後の章で人間味を見せてくれる.でも,石油で動く自動車は姿を消し,超距離輸送を要する食品もなくなり,日本のような食糧自給率の低い国が生き残れるかは不明.総ては政策立案実行能力を備えた優秀な政府が持てるかどうかにかかっている.