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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
巨匠の傑作,
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レビュー対象商品: 地球幼年期の終わり (創元推理文庫) (文庫)
SF界の巨匠アーサー・C・クラークの最高傑作。戦争も疫病もない理想社会は誰のための理想社会なのか? 人類の、生物の進化とは、現状から足し算的に向上していくことなのか? 人類が初めて、自らよりはるかに進歩した生物に邂逅を果たしたとき、それらの疑問への解答を示す扉が静かに開き始める。 クラークらしい叙事詩のスタイルで物語は進むが、壮大すぎる筋書きにもかかわらず非常に読みすすめやすく、また感情移入を阻害されないように気をつけられているのが素晴らしい。ボリュームは適当で、読み疲れることもない。 1953年に発表された作品なので、さすがに古典的雰囲気を帯びていて現在のSFと技術比べはできないが、その分読みやすく、あらゆる読者におすすめしたい一冊である。 さて、この文庫本唯一の汚点は、その題名である。原題"Childhood's End"をただ直訳すれば必要かつ十分だったのに、余計なものを加えてしまった。読み終えた人にしか分からない事ではあるが、これほど蛇足という言葉の似合う行為にはなかなかお目にかかれないのではないか。短絡的な東京創元社には失望の念を禁じえない。"Against the Fall of Night"を『銀河帝国の崩壊』と題してしまうことといい、クラークになにか恨みでもあるのだろうか? 翻訳そのものは極めて読みやすく、評価できるだけに、こんなことで作品に傷をつけてしまうのはもったいない限りだ。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
理想社会とは?,
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 地球幼年期の終わり (創元推理文庫) (文庫)
東西冷戦のさなか、その威信をかけて戦争ではなく宇宙開発へと向けられていた頃、突然人間を軽く凌駕する科学の持ち主である<上主>と呼ばれる地球外生物が現れ人類を導き、コントロールしようとする...しかし絶対に人類の前に姿を現さない<上主>、それでも戦争や飢餓の消滅、テクノロジーの発達からの恩恵を全ての人類が受けられる理想郷のような世界が成り立つ世界で、<上主>たちは何を目的にしているのか?SFの巨匠が描く近未来の世界を通して考えさせられるつくりになっていて、とても引き込まれました。人間のさがが描かれつつも個と集団という大きな枠組みに対する考えなど、面白かったです。最後の展開についても、納得できました。その当時はきっと反響が大きかったと思います。いわゆるSFなのですが、それだけではない問いかけもあって好きです。 種族としての価値や役目について考えさせられる、そこまで想像させる話しです、今ならエコロジー的な話しにも繋げられそうですし、世代を越えて想像させることの意義も考えさせられます。 SFが好きな方に、社会の仕組みを考える方に、オススメ致します。
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
もはやSFではなく、確実な明日の話である,
By ワッピ (千葉県佐倉市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 地球幼年期の終わり (創元推理文庫) (文庫)
30年以上前に読んだ本だが、そのときは単なる空想科学小説(絵空事)と思っていた。しかし、日本は2007年から、地球規模でも21世紀半ばから人口は減少モードに突入すると予測されている。資源・エネギー・環境の制約もふくめて、右肩あがり成長システムは、もはや崩壊目前である。人類は、幼年期から成熟期に確実にシフトしつつある。日本では少子高齢化、人口減少社会が真剣に議論されはじめたが、いたずらに悲観論におちいるのでなく、新しい社会モデルを構築すべき時に来たようだ。 その意味で、惑星科学者の松井孝典氏の「宇宙人としての生き方」(岩波新書)は、あわせておすすめの本である。(宇宙人とは、エイリアンでもオーバーロードでもなく、宇宙的な視点をもった人間のことです、念のため)
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