難しいテーマ。
どうしても作らざるを得なかったのか、河森氏は。
宮崎駿ですら、『もののけ姫』と言う現代からかけ離れた設定でなければ、手が出せなかった大変なテーマです。
テレビアニメのアドバンテージとして、300分程度の時間枠があるとはいえ果たしてどんな解決を用意するのか見物です。
啓蒙的になれば視聴者に嫌われるのは必定で、エンターテインメントとしての完成度と、テーマの克服を両立させることは並大抵のことではありません。
設定はありがちな少女・少年・特殊機関・病弱な超能力者などなどが現れ、特に目新しいものはありません。
現代が抱えるいくつもの、もう語り尽くされたような解決の糸口が見えない問題を少しずつ取り上げ、その都度結構都合のよい人物が現れたりもします。
下手をするとあまりに啓蒙的で、ご都合主義に陥る危険がありながら、さすが長年のキャリア、うまい脚本で切り抜けています。
人物の性格設定も若干弱い面もありますが、十代の心理を巧みに取り入れストーリーに奥行きを持たせています。
細かな構成も結構おしゃれで、映像、音楽と相俟ってテンポのよい傑作です。
余談ですが、「時夫」の関西弁があまりにひどいので、どうよ、と思っていたのですが、さりげなくフォローがあって驚きました。