地球科学は20世紀後半に大躍進し,その面目を一新した.プレートテクトニクスをはじめとする新知見は,地味な地質学と古生物学を壮大なスケールで統合的に理解することを可能にした.四半世紀前,NHKで放映された「地球大紀行」は,一般の人々にその面白さを伝える素敵な企画だった.10年ほど前に出された「地球大紀行」のDVDには以後の進展も追加されてはいるが,最新の情報はやはり不十分である.
本書は,現在の地球科学の知見を非常にコンパクトにまとめたすばらしい本である.100枚の写真はすべてこの本のために撮影されたもので,それだけを眺めていても楽しいし,さらに解説を読んでから見直せば,より興味をそそられるであろう.解説は膨大な地球全史をわずか40ページに圧縮しているので,地球物理学や地質学や古生物学に関して一応の基礎知識を持っている人には,知識の整理するのと最新情報を知るのに好都合だが,そうでない人にはちょっと分かりづらいであろう.