本書は紀元前に成立したと思われる、(著者は紀元前500年頃の現在イスラエルのエルサレム辺りで、本格的な金融の専門家達=「カルト273」が結成され、その末裔達がヴェネチア商人達、オランダの銀行家となり、・・・そして、イングランド銀行とアメリカの連邦準備制度の設立に関わってると論じているが)貨幣経済の主役である「マネー」という概念を1つの宗教と捉え、その宗教が崇める「神」とは無慈悲で貪欲な
邪神「モロク神」=「ミルコム神」であると結論付けている。
興味深いと感じたのは、このミルコム神・・・雄牛の形をしているのは何故?という疑問。・・・「雄牛」の偶像崇拝と言えば、モーゼの時代から行われていた様であり、特に「出エジプト記」ではモーゼが神「ヤハゥエ」から宣託を受けている最中にも、ヘブライ人達はモーゼがなかなかシナイ山から降りてこないので、勝手に黄金の子牛像を作って崇めていたのをモーゼに叱責され、像を壊された(神・ヤハゥエは偶像崇拝を厳しく禁じていたため)エピソードや、その後イスラエル王国が誕生するも、南北に分かれ2国とも滅亡していったその原因は「雄牛の偶像崇拝」を止めなかった事に関係がある。・・・という伝説と何か関係があるのか?という疑問である。
若し、関連性があるとしたら恐らく、貨幣流通の交易システムというのはモーゼの時代から存在していて、その貨幣に絶対的な価値を置いていた(金の子牛を信仰の対象として崇めた)人々は昔も多かった。ヤハゥエはその事を諫め、偶像崇拝を厳しく禁じた。その教え(多分、十戒やタルムード等)を尊重して古代イスラエル王国を建設したが、時が流れ王国繁栄のその陰で、いつしか「拝金主義」が横行し、人々は堕落してその事が原因となり、内乱と外圧に屈服して滅亡していったのではないか?と推測します。つまり、北王国イスラエルと南王国ユダの滅亡はヘブライ人達がヤハゥエの教えを忘れ、(旧約聖書には神の教えを守らず、黄金の雄牛像を崇めた・・・とあるが)貪欲な拝金主義に執着した結果であると、当時の歴史家達は私達に伝えたかったのかもしれません。
そうすると、この「モロク神」はマネーそのものであるので、慈悲や赦し、慈しみの感情がないのは当たり前の話になります。・・・