前巻までのミュウ側メインの表現と違って、第三巻は人間側が主役になる。とくに後に人間代表としてミュウと戦う重要人物キース・アニアンの学生時代の話である。
ストーリーは原作よりも膨らませてあるが、結末に変わりはない。
ミュウとしてジョミーと接触しておきながら、あくまで人間側に位置したシロエは、揺れ動く自分の感情を抱き続ける。SD体制に反発する彼はついにキースに命を奪われるのだが、その瞬間の彼の「地球」への思いは、涙無しでは見られない。そしてシロエを殺しながら涙するキースの「自分」での疑問は、思春期特有のあの悩み多き瞬間を表したようで、非常に切なく苦しく心に響くものだ。
シロエはここで亡くなるが、彼はその後もキースに影響を与え続ける。それを思いながら見ると、「地球へ…」がより一層切なく、また美しい物語だと実感できるだろう。
特典であるCDは、キース(子安氏)とシロエ(井上氏)の対談という形である。が、そちらに詳しい方は子安氏の名前で勘付くように、このCDでは少々アブノーマルなもの、いわゆる女性向け(BL)要素が付加されている。ただしそれほど色が強いわけではないので、強く嫌悪感を抱くような方でない限り、聞き流せる程度だろう。もちろん、その道を進む方々(腐女子・腐男子)にとっては、まさに最高のファンサービスの一言であるが。
トークからゲーム、私立シャングリラ学園に至るまで、笑える収録内容であるのは確実だ。普通のファンよりも少しオタク、あるいは同人系を意識したような印象を受けるが、抵抗感のない方はぜひ楽しんでいただきたい。
大歓迎というファンの皆様には、もちろん最大出力でお勧めしておく。