機械が作り出したシステムに支配された管理社会を生きる人間と、その管理システムの不具合から生まれてしまったミュウと呼ばれる特殊能力を持った人間との対立を描いた物語。小学生のときに読みましたが、登場人物の分かり合えそうですれ違ってしまう場面の数々に涙したのを覚えています。今読み返してみても当時の心境を追体験することができました。
でも今思い起こして見ると機械に支配された管理体制という形で、立ち向かう敵をはっきりと定義できたのは、やはり製作された時代を明確に反映していたんだなあと感じてしまいます。現在は機械が悪いのか使う人間が悪いのか、どちらがなんて選べない時代に入っている気がしますから。こうして消費者である私もレビューを書いて潜在的に次の起こる消費活動に影響を与える生産者の役割を果たしてしまったりするのですから。物語の終わりで目指していた地球をまりのように弾ませながら駆けてゆく少年少女の姿が出てきますが、私たちはもうその先の時代に入ってしまっているのかもしれない。久しぶりに読み返してこんなことを感じてしまいました。