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さらに、世界の概論から国際河川へと続く前半部、日本の歴史的状況から現在のベクトル、問題点を導く
後半部の流れはさすが、の一言。
数字的、また具体例から水の問題がかなり重大であることがわかり、かつ多くの提言があります。
例えば、第三次中東戦争が水問題に起因するという事実に始まり各国際河川の具体的な国際対立、国際協調の流れはおもしろいです。
また、日本は一次産品の貿易による水輸入国であるという指摘など、水問題に対する日本人の認識の甘さへの警告も
非常に適切で、理論的構築がしっかりしています。
霞堤の意義を問い直す議論において信玄堤に始まる霞堤の理念、失われていく過程など、歴史的にもしっかり紐解かれています。
戦後の治水政策の変遷が謎を残すことなく詳しく書かれ、一方で一言山梨で毎年行なわれる治水のお祭り
「御幸祭」の意識にも触れます。バランスが絶妙なんです。
信玄堤に守られた町竜王町出身で、御幸祭を楽しんでいた私としてもちょっとうれしいです。蛇足ですが、竜王町という名前も
水に関する伝説から生まれたもので洪水に対する昔の人々の関心は知られるところです。
後半に行くに従い、日本人としての強い問題提起がなされていきますが、安心して納得しながら読み進めることができました。
これこそが新書だ、と強く勧められる本です。『地球の水が危ない』というタイトルに興味を持ったすべての人を
満足させられる包括的・具体的・理論的な内容であると思いますし、単純におもしろい、と感じることができました。
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