一言で言ってしまうと「愛は地球を救う」という話。要するに,人類のせいで地球が滅びかかっているので,宇宙人がノアの箱船のように他の生物は救って,人類だけを滅ぼそうとするのだが,親子愛でそれが阻止できたという話。あまりのメッセージの幼稚さに唖然とした。この映画の制作者は,果たしてこのメッセージを伝えたかったのか,それともあっと驚くようなVFXを見せたかったのか。どちらかと言えば,後者ではないのかという疑念さえ生じる。
また,この映画の内容には,大きな欠陥があって,「人類は窮地に立てば変われる」と宇宙人(キアヌ・リーブス)が納得して,破滅を阻止するのだが,その「窮地」であるという人類に,主人公とその周辺の人々しか気が付いていないということだ。この後,主人公達が「宇宙人が人類を破滅させようとしていたが,阻止された」と世界の人に訴えて,いったいどれほどの人がそれを信じるのか。多くの人々には,それが「窮地」であったという実感のないまま,まるで大きな嵐が来た程度の危機感しかないのではないか。もちろん,このメッセージは映画を見ている私達に投げかけているものであるのはよくわかるが,そうであるならば,映画のストーリーとしての完成度は低いと言わざるを得ない。
結局,この映画は米国映画にありがちな「危機からの脱出」ストーリーでしかない。そういう意味で,「インディペンデンス・デイ」「ディープ・インパクト」「宇宙戦争」などと同じレベルの二匹目のどじょうを狙った映画である。