もしこの話を原作シナリオとして渡されたら漫画家は暴れ出すか、頭を抱えて泣き出すか、奇声を上げて原作者に襲いかかるだろう。
伊藤潤二だって、自分で考えたのでなければ、これは描けなかったのではないか。ましてや贈刊とはいえメジャー週刊誌の名前を冠した媒体に発表など、どれほどの勇気があろうと出来なかったのではないか。
それほどに本作は、設定も、物語も、それを具現化してみせた作画も常識外、規格外の、もう何と言ったらいいのか・・・とにかく「天才か、それに紙一重の人」の仕事・・・多分、大傑作である。
それだけに、これは読む人を選ぶ。
それは正誤ではなく、好き嫌い、要不要、好奇心の強弱の問題である。
読んでも偉くないが、恥じることも無い。
この作品を読むか否かは、まずカバーイラストをじっくり吟味して判断されたい。
「珍妙な高層建築物の林立する近未来都市を背景に、木製の十字架に縛り付けられているヒロイン、そしてその彼女にいやらしく絡み付こうとしているのはワームホールから出現した表題の惑星の『舌』である」
・・・どうだろう。この説明で間違っていないと思うが、これに少しでもそそられたなら、そしてあなたがこの目眩必至の世界に負けない自信をお持ちのマンガ読みなら読んでおかれた方が良い。
後頭部を殴られるようなマンガ体験が待っている。