「現代版必殺シリーズ」というテイストが濃かったこの作品ですが、中盤に差し掛かり随分印象が変わってきました。主役が閻魔あいから柴田一に変更されたのかと感じられるほど、彼の行動がストーリーを動かすようになっています。
また内容的にも、恨みを募らせていく過程、及び恨みを買った側が地獄に送られる際の描写に重きがおかれていた前半に比べると、恨みの本質や、恨みを晴らすと言う行為が持つ意味等を問い掛けるようなストーリーが目立つようになり、それに合わせて登場人物の心理を深く掘り下げたシナリオが増えていますので、大人が視ても楽しめるような作品にシフトされたように感じられます。
第13話は演出が絶妙。よくこれで制作許可が下りたものだと感じられるほど胡散臭いオヤジキャラのオンパレードな上、閻魔あいの台詞はラストにたった一言のみ。ただそのことが、老人の"最後の仕事"を実に美しく際立たせていますし、なんてことの無いあいの台詞が宝石のような光彩を放っているように感じられました。このじらし方はファン心理のツボをついていますね。
第14話は一筋縄ではいかない、考えさせられるシナリオが好印象。登場人物は皆、善悪両面を持った"等身大の人物"として描かれていますし、恨みの内容も、双方に同情の余地、そして非難の材料があるシチュエーションになっています。物語の冒頭、今までほとんど表情を変えなかったあいが、苦悩に歪んだ表情を見せるのも印象的ですね。内容の"深さ"を連想させる導入部がGOODです。
第15話は久々のホラー展開です。"怖さ"はシリーズ随一かもしれません。
今巻ではとうとう閻魔あいの"キメ台詞"が無くなってしまいましたし、三藁はほとんど"傍観者"と化しています。初期のテイストが好みのファンには少々物足りない展開かもしれませんが、より味わい深いシナリオや演出が楽しめるようになってきたと思います。