成功すれば「リスクを取らないと儲からない」、失敗すれば「リスクを取ったら危ない」、その時々でいわれていることが違ったりしますが、実際のリスクは取り過ぎても控え過ぎてもいけない、個々人の許容次第という展開になると思います。著者もリスクの許容については少し触れていますが、著者自身がどの程度の許容の持ち主なのかがハッキリしません。ですから11人の行動について、どこが許容を超えたリスクだったのか、許容の範囲内だったのか、著者なりの説明ができていません。結果が損失だったから悪いといっているようにしか思えず、致命的ともいえる失敗を看破しているわけではありません。損を出した当事者やその周辺の人々が詳細を語ってはいませんので、看破のしようが無いともいえます。11人の中には巨額であっても資産の一部を損しただけの人も出てきますので、もしかすると、ある意味では成功だった部類かもしれません。それでも著者は“何が悪かったのか”と解説するのですから違和感を覚えます。さらには、その解説や教訓めいたポイントが咀嚼されたものでなく、初心者向けのように教科書通りでまったく参考になりません。“卵を1つの籠に入れない”“空売りは注意して行う”“ストップロスの機能を使う”“やみくもに他者に追随しない”“危険なものには手を出さない”等々、11人の大損失劇を解説するにはあまりにも日常的で大雑把過ぎです。この程度の解説でしたら他の本でも読めますので、著者の解説はすべて省いて本の値段を下げてほしいくらいです。新聞の記事より少し詳細に取材した程度ではあるものの、11人の話だけでしたら★4つにできました。限定的な情報の中から読み手が独自で教訓を得なければいけない本です。