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地域通貨の持つ可能性については、これまでにも多くの論者がさまざまな角度から論じてきた。
本書では第一章でそうした先行する議論にも触れながら「地域通貨とは何か」を丁寧に解説し、第二章では国内外での実践例を紹介する。第三章では自らが携わる「アースデイマネー」の立ち上げから(執筆時点での)最新のプロジェクトまでの推移を振り返って、その試行錯誤から得られた現在進行形の事例を提出し、第四章では地域(ローカル・エリア)、行政、企業等との複合的な連繋によるコミュニティの活性化の可能性を提示する。
著者のスタンスは、コミュニティを活性化させるためのツールとして地域通貨を用いるという立場のため、オルタナティヴな対抗市場を創造するという地域通貨のもう一方の可能性についての評価には消極的だ(著者は結論部でこれを「オルタナティヴではなくコンプリメンタリー」と表現し、補完的経済システムという性格を強調している)。
そのため、読者によってはこの点を物足りなく感じる場合もあるだろう。だが、地域通貨に対する読者の興味を掘り起こし、実践するためのD.I.Y.マニュアルとしても有益な著作であり、新書というコンパクトな書物に適したハンディな概説書として評価したい。
「地域通貨って何?」という人に勧めるには最適のコンパクトな一冊。
なお、地域通貨の「オルタナティヴ」としての可能性についての議論に興味のある方には、西部忠『地域通貨を知ろう』を併せて勧めたい。
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