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地域社会圏主義
 
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地域社会圏主義 [単行本(ソフトカバー)]

山本 理顕 , 金子 勝 , 平山 洋介 , 上野 千鶴子 , 仲 俊治 , 末光 弘和 , 松行 輝昌 , 鴨井 猛 , 大高 隆 , 北村 光隆
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「地域社会圏」構想とは、1つの住宅に1家族が住むというモデルが、現在の硬直した日本の運営システムをつくり、それがいまや大きく破綻していると考える、建築家・山本理顕による問題提起。現在の私たちの生活のリアリティをすくいあげる新しい住宅空間モデルとその供給システムの構築をめざしています。これは家族の枠を超え、公と私を媒介する中間集団のあり方=新たな公共空間を考える試みでもあります。
高齢者や一人世帯がさらに増えていくすぐそこの未来、私たちは自身の生活とそれを受け止める器である住宅をどのようにイメージし、また獲得していくことができるのでしょうか。2010年春に刊行され、話題をよんだ『地域社会圏モデル』から大きく一歩踏み込み、山本理顕が建築的想像力をもって、2015年のリアルな居住像を提案していきます。
上野千鶴子(社会学)、金子勝(経済学)、平山洋介(建築学)との対談も収録。

著者について

山本 理顕 Riken Yamamoto
1945年北京生まれ。建築家。2007-2011年、横浜国立大学大学院教授。現在、日本大学大学院特任教授。山本理顕設計工場主宰。作品=《埼玉県立大学》、《公立はこだて未来大学》、《横須賀美術館》、《福生市庁舎》他。著書=『新編住居論』(平凡社)、『建築の可能性、山本理顕的想像力』(王国社)『つくりながら考える、使いながらつくる』(TOTO出版)他。共著=『私たちが住みたい都市 身体・プライバシー・住宅・国家』(平凡社)、『建築をつくることは未来をつくることである』(TOTO出版)、『地域社会圏モデル』(INAX出版)他。

金子 勝 Masaru Kaneko
1952年東京都生まれ。経済学者。慶應大学経済学部教授。著書=『市場と制度の政治経済学』(東京大学出版会)、『セーフティーネットの政治経済学』(筑摩書房)、『新・反グローバリズム』(岩波書店)、『粉飾国家』(講談社)、『戦後の終わり』(筑摩書房)、『閉塞経済』(筑摩新書)、『「脱原発」成長論:新しい産業革命へ』(筑摩書房)他、多数。共著=『日本再生の国家戦略を急げ』(小学館)、『脱世界同時不況』(岩波ブックレット)他、多数。

平山 洋介 Yosuke Hirayama
1958年生まれ。建築学者。生活空間計画を専攻。神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。著書=『コミュニティ・ベースト・ハウジング――現代アメリカの近隣再生』(ドメス出版)、『不完全都市―神戸・ニューヨーク・ベルリン』(学芸出版社)、『東京の果てに』(NTT出版)、『住宅政策のどこが問題か――<持家社会>の次を展望する』 (光文社新書) 、『都市の条件――住まい、人生、社会持続』(NTT出版)他。

上野 千鶴子 Chizuko Ueno
1948年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書=『家父長制と資本制』『不惑のフェミニズム』(以上、岩波現代文庫)、『近代家族の成立と終焉』『差異の政治学』『生き延びるための思想』(以上、岩波書店)、『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)、『おひとりさまの老後』(法研)、『女ぎらい』(紀伊国屋書店)、『ケアの社会学』(太田出版)他、多数。

仲 俊治 Toshiharu Naka
1976年、京都府生まれ。建築家。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻を修了後、山本理顕設計工場を経て、2009年より建築設計モノブモン主宰。2009-2011年横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手。作品=《載の家》、《白馬の山荘》他

末光 弘和 Hirokazu Suemitsu
1976年、愛媛県松山市生まれ。建築家。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻を修了後、伊東豊雄建築設計事務所を経て、2007年よりSUEP主宰。 2009-2011年横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手。作品=《地中の棲処》、《Kokage》他。

松行 輝昌(まつゆきてるまさ)
1972年生まれ。経済学者。2008-2011年横浜国立大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー講師、東洋大学国際共生社会研究センター客員研究員などを経て、現在、大阪大学学際融合教育研究センター准教授。専門は、ミクロ経済理論、産業組織論、アントレプレナーシップ。共著書=『ソーシャルイノベーション』(丸善出版)


登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 152ページ
  • 出版社: INAX出版 (2012/1/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4872751736
  • ISBN-13: 978-4872751734
  • 発売日: 2012/1/10
  • 商品の寸法: 24.7 x 18.5 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
シェアとかコミュニティとか、もちろん住まいや建築に興味がある全ての人と、この本はシェアしたいと感じた。久々に建築家が、未来へのビジョンを形として見せて現実に近付けてくれた。

山本理顕さんの『住居論』の時から変わらない、従来のnLDKという日本の住宅の基本ユニットへの違和感がこの「地域社会圏」という発想につながっている。本書によれば、新しい住居の形を考える時、それはもうひと家族におさまる形ではない。代わりに、500人程度の住人をひとつの単位として生きる大きなコミュニティを想定し、各「イエ」が「見世」と「寝間」によって構成されるモデルを提案する。

「見世」は外に向かってガラス張りで、「寝間」はプライバシーの高い場所。借り方は自由で、見世部分を多く借りて文字通りお店に使ってもいいし、事務所やアトリエに使ってもいい。おばあちゃんがうたた寝する縁側のような場所でもいいし、子どもが遊んでもいい。「寝間」部分をたくさん借りて、プライバシーの高い従来の家のような「イエ」にしてもいい。専有と共有との関係をすべて見直し、エネルギー、交通、介護、看護、福祉、地域経済、「一住宅=一家族」を前提として成り立っていた関係をすべて見直す。その見直された関係こそが、本書が提唱する「地域社会圏」だ。

本書で描かれるイラストがことに魅力的である。縦横に広がる宿場町のようにイエが並び、様々な見世が広場に面している。煙草屋もBBQガーデンも、囲碁屋も料理教室も。ビストロでは食事をとることもできるし、キッチンを借りるのも可だ。ユニット化された家が合わさって発電をしたり、育児所やナースステーションにスーパーが合わさったような、生活コンビニというモデルも現実的である。個々の「イエ」はそれぞれ「見世」というオープンスペースを持っているから、ここで仕事をつくることもできるし、稼いだ小銭を家賃に当てることもできる。 全体の管理やセキュリティもこうした「見世」があることで相互に見守る関係が出来上がる。

そうした絵図から、いかなる運営形態であり人的役割分担が可能か、どのような乗り物で移動するか、どういう材質で各イエを作るか、などの「形」を見せてくるところが、建築家ならではの仕事で、読んでいて唸らされる。

一方、上野千鶴子さんには「実際にあなたが今まで作って来た公共的な団地は、あなたのコンセプトとは反し、住人は立地と賃料しか見てなかった」と現実的な突っ込みを入れられているが、今これだけ共有という概念が行き渡って来ている社会において、地域社会圏主義は、現在都市への未来的ビジョンでもあるし、被災地の住まいに対する具体的な提案になっていると感じる。理論的解釈の多かった前著『地域社会圏モデル』よりも断然面白い。

さて、モデルケースはいいとして、実際に何かが動き出す端緒はあるのだろうか。上野さんの批判を越えるためにも、その具体的な形にも注目していきたい。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
地域社会圏主義は、山本理顕氏が横浜国大大学院で学生たちと4年間かかって
提案した集合住宅の新たなモデルである。
全てを知りたければ本を読んで欲しいが、大まかには、共有スペースを大きく占有
スペースを小さくし、水回りを共同で使う。
見世と呼ばれる開かれたスペースを各住戸が持ち、そこでカフェを開いても、託児
所にしても古本屋を営んでも構わない。
そのスペースで住人がそれぞれの能力を生かし、閉じた生き方ではなく、地域に
開かれた生き方ができ、貢献できれば良いという発想。
占有スペースの最小単位は、2400×2400×H2600mm、5畳に満たない大きさだ
が、それを一箱借りると34000円と、都内の賃料よりは安い。
一人暮らしなら、これでも十分かもしれない。
しかし4人家族で暮らすなら、4〜5箱は借りる必要があり、そうすると賃料は13万
〜17万円。
賃料が高い上に、水回りは共有となると、今の集合住宅に比べ快適だろうか。
だから見世等の付加価値に、価値を感じないと、住む家族は少ないかもしれない。

氏も言っているように、未だ考える余地が多くある提案だと思うし、対談にもあるが、
他分野の専門家ともっと話し合い、現実的な提案にしてゆくプロセスがさらに必要
であると私も思う。
ただ山本氏平山氏が言うように、現在の日本の住宅政策「一家族に一住宅」は既に
行き詰って久しい。
家族も多様化している。それら家族が住みやすい住居を提供するのは、国の責任で
あり、建築家にとってもやりがいのある仕事であろう。
次回、さらに進化した社会圏主義のイエの提案を、楽しみにしている。
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■戦後復興モデルとしての「一住居=一家族」

家探しをするとき場所や価格は勿論ですが、●DKや●LDKなど間取りを考えます。それに疑問を感じることはこれまでありませんでした。でもシェアハウスの間取りってよく考えると何でしょう?共有スペースという概念、むしろ共有スペースがメインの間取り。プライバシーやセキュリティという個室的な考えよりも、そこにどんな面白い人が住んでいるか?新しく入ってくるのはどんな人か?という興味や魅力。そっちの方がシェアハウスでは大切です。僕もシェアハウスに住んでましたが、コロンビア大使館で働く女性や、ジャニーズの音楽プロデューサーをしているアメリカ人、ベンチャー経営者からベンチャーキャピタリスト、クリエイターや社会人1年目までほんとに多様な面白い人たちが集まってました。朝起きたら、「おはよう」とリビングで朝食で顔をあわし、帰ったら「おかえり」と、お酒を共に飲む。大きな家族や仲間を得られたような感覚です。

ではなぜ●DKというのが当たり前だったのか?戦前はいわゆる長屋で住むような地域のつながりや助け合いあるのが普通だったと思います。それが、戦後日本が復興するためにパッケージ化され効率良く広げていくために必要なシステムだったそうです。専業主婦と核家族化、マイホームを持つということ。住宅政策が経済政策として捉えられ、高度経済成長を支えるとともに広がったと、著者が紹介されています。

■地域社会圏:500人で1つの単位を考える

今、高度経済成長期も過ぎて、都会ではシェアハウスが広がっているとは言え、独身者が非常に多く、高齢化社会に伴って1人暮らしの老人も増えていきます。また離婚率の上昇や女性の社会進出も高まり結婚していない30代以上やシングルマザーも増えています。そんな状況の中で、●DKモデルや「1住居=1家族」モデルのマイホームを持つことも、今の時代に合っていません。

著者は、「地域社会圏主義」で、住む単位を500人で1つと捉えてはどうか?と提案し、それを地域社会圏と呼んでいます。

500人で1つの単位。そこには家族はもちろん、学生や一人暮らしの男女、老人から子供、外国人まで多様な人が住みます。銭湯・spa、ランドリーやキッチンのような共有スペースに加え、保育スペースや介護スペース、スポーツができるようなスペースもあります。また、自然エネルギーによる効率的なエネルギーシェアから、エリア内は自動車が通れず、コミュニティビークルという老人も乗れる電気自動車が安全・便利・安価に使えます。フリーマーケットや料理を作ったり、掃除や保育の仕事をエリア内ですることで、地域通貨を稼ぐこともでき、テキーラバーのようなお店を開業することもできます。

僕が住んでいたシェアハウスは36部屋でしたが、今のシェアハウスは大きくても100人未満がほとんど。若者向けが多く、家族型や老人が住めるシェアハウスは多くはありません。しかし、この地域社会圏ではちょうど良いサイズ、その人数だからできることが多く、ほんとに実現できると良いなと思いました。

この書籍は、インフォグラフィックで非常に分かりやすく紹介されていたり、図面やイメージ図のイラストも多用されていてどんな未来か想像しやすく、とてもわくわくします。シェアハウスやその未来に興味がある方には、お薦め書籍です。
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