夕張について、北炭やスキー場の破綻を書いたものはあっても、それが三井財閥や松下興産であると本書のように具体的に書くものは少ない。
同様に他のテーマについても具体的活詳細に書かれ、無名ながら実力のある書き手に金子が場を与えた形となっている事についても、賞賛に値する。
ベストセラーにルポは少なく、筆者にとって儲かるジャンルではないが、このような良心的な書き手たちがどんどんと出てこなければ、多くの人は、マスコミの表面上だけを捉えた誤った情報に翻弄されてしまうしかない。
夕張市民が破綻して尚、実現不可能な夢を語る羽柴氏を市長選で次点にしてしまったように、現実に目を背け夢ばかりを追い求めていては、経済大国どころか食うものにさえ困る難民国家になってしまうだろう。
そうさせないためにも、自分の年金が・・・等というミクロを対象にした怒りでなく、全体像で永続可能な選択に舵を切りかえれる選択をする為にも、本書は必読である。