内容紹介
インドや中国、欧米や南米を原産地とし、渡来後に山深い信州の盆地で固有化した信州の伝統作物(在来作物)。その来歴は、地域の自然と経済・文化の軌跡を色濃く反映している。
戦国時代に城主の転封によって山形から伝播した「王滝蕪」、朝鮮半島から尾張を経由して持ち込まれた「親田辛味大根」、煙草売りや木地師が飛騨・近江から持ち込んだ「赤根大根」、明治以降の町村合併の歴史を4つの呼び名に残す「木曽菜」、かつて南信の主要品種でありながら現在は栽培者がただ一人となった「諏訪紅蕪」など、伝播と盛衰にまつわる歴史的な経緯は興味が尽きない。
本書は第1章で長野県が認定制度を実施する「信州の伝統野菜」59品種について、第2章ではその他野菜・果物と穀物10品種、山菜・木の実などの山の幸9種について、品種特性と栽培の解説に加えて、作物の伝播・盛衰にまつわる意外な歴史に言及している。
スーパーに並ぶ一般の商業品種とは異なり、味や香りが個性的な伝統作物は、地域おこしの核となる品種がある一方で、収量性の低さから市場競争力が弱い場合が多く、消滅の危機に瀕する品種も少なくない。食と農が画一化・グローバル化する中で、地域を照らす宝にエールを送る趣旨で発刊された。
内容(「BOOK」データベースより)
量産品にはない、締まった食感と超絶美味!インド・中国・欧米・南米等を起源とし、信州の盆地で固有化した野菜や穀物。有名品種あり、奇跡の復活あり、消滅の危機あり、伝播・盛衰と食文化の物語。漬物や郷土食の神髄がここに。