1994年にけやき出版から出た単行本の文庫化。かなり加筆されている。文庫版だと地図がかなり小さく、白黒になってしまっているのが残念。ここが減点。
著者は地図や鉄道に詳しいエッセイスト。
本書は地図を様々に読み解いたもの。陸地はほんのちょっとで画面のほとんどは海という地図をなぜ国土地理院がつくっているのかとか、東ドイツの地図に西ドイツはどのように描かれていたかとか、各国の地図記号の比較とか、読者の興味を引くような話題が次々と繰り出されてくる。どれも調査が徹底しており、歴史的・政治的な背景も押さえられ、著者の意見が明確にされており、非常に良く出来た本だと思う。
最後に実践編とでもいうべき、地図から昔の街道を探り出し、実際に足でたどってみるという章がある。見習ってやってみるのも面白いだろう。
鉄道の話が多い。