友人が贈ってくれた一冊の本に誘われて、私はヴェネツィアのゲットへ向かった。受難の歴史に思いを馳せ、運河に架けられた小さな橋を渡ると、大阪で過した幼年時代の記憶やミラノで共に生きた若い仲間たちの姿が甦る。イタリアを愛し、書物を愛した著者が、水の都に深く刻まれた記憶の旅へと読者をいざなう表題作の他、ヴェネツィア娼婦の歴史をめぐる「ザッテレの河岸で」を併録。
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最近はイタリアというとパスタやグッチなどのブランドもばかりに関心が行きがちだが、須賀さんはイタリアの中でもいわゆる負け組(私はこの言葉大嫌いなのだが)の人たち、貧しい人やユダヤ人などに目を向ける。特にこの本ではローマやヴェネチアのユダヤ人と娼婦について語っている。そこらのイタリア本とは一線を画す、すばらしい本です。
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