この本は面白かった。地図に興味のある人にはたまらない一冊になるだろう。
1945年生まれの著者は工業高校卒業後、国土地理院の現場で38年間地図を作成し続けた。少年時代から地図が大好きで、そのまま年をとられたような方だ。文面からは筆者の真面目さや地図に対する愛情がひしひしと伝わってくる。そのためか読んでいてとても気持ちがよかった。
伊能図に始まる近代地図の歴史が自身の経験を織り交ぜながら書かれ、「地図に歴史あり」という内容になっている。地図屋にとっては山の標高は関心事でないことなども書かれており面白い(三角点や水準点が重要なのだ)。
現場の方の書かれる本は面白いという実例になりうる本だと思う。また他の新書と違い、中身タップリのお得な本でもある。
※地図とは言っても国内の官製5万分の1、2.5万分の1地形図が話題の中心となるので、これらの地図を読んだことがない人は退屈になるかもしれない。オタク度はかなり高いと言える。