タイトル通り東日本大震災を地図を使って被害状況をグラフ化した本。
「超巨大地震」「大津波」「福島原発事故」「災害予測」と構成がしっかりしている。
データーがコンパクトに纏めていて、中でも津波の浸水が俯瞰でき、福島原発事故では詳しい解説がある。
地図を通して被害をグラフ化すると記録としてはいかに今回の被害が大きかったのかがよくわかる。が、
忘れてはいけないのは、多くの命が失われて今も被災地でご苦労されている方々がいることを考えて読んでいかないといけない。
これから被災地へボランティアに行かれる方は、本書と「東日本大震災 復興支援地図」を持っていかれることをお勧めしたい。
また、復興に関わる方には本書を使って、被災者と共に防災減災政策を見直して頂きたい。
本書は防災教育の一環として防災教育の副教材として使い、教科書「減災政策論入門」「原子力防災」と合わせて使うことを切望する。
今回の大震災では「私たちにできること」「何をするべきか」と言う言葉がよく聞かれた。
被災地のあの状況を見れば誰だって「助けたい」「何とかしたい」と思う。それは人間として当然のことだ。
(防災学ではこれを「災害ユートピア」言う)
しかし、ちょっと良く考えて頂きたい。本当に重要なことは平時から「災害を学び」「避難訓練」「災害に対する準備」をする。発災後は速やかに「動く」これが危機管理の考え方(ビジネスで言えば「PDCAサイクル」)である。今回の大震災は、我が国の国土の半分が本震・余震、放射線飛散の影響を受けている。
被災地を気にかけると同時に、自分たちの身も守らなければいけないのだ。3.11で首都圏にいた方は身を持って体験しているはず。
災害が起こってから、「私たちにできること」「何をするべきか」と言っててはダメなのだ。
正しくは「リスクを知り、リスクを減らす。そのために●●をする」なのだ。
防災専門家の間で共通の指摘がされている「日本には国を挙げた防災教育がない」我々は、この国の主権者として防災減災学を学ばなければいけない。また、国もそういう方向に進めなければいけない。
(余談だが、行政府で危機管理を統括する官庁が未だに存在しない=発災後に官邸内に20以上の会議が増設された。これによって指揮命令系統が破綻し官邸が混乱した。結果、1995年当時と同等、それ以下の最悪な対処になってしまった)