この作者さんは短いストーリーにぎゅっとエッセンスを詰めることに関しては
ピカイチだと個人的に思っているのですが、
そのセンスが十二分に発揮されている一冊です。
一口に短編と言っても
「カナリア」「A Paradox of a Lion」などの寓話的ショートショートから
「Natural Born Scissors」の3連作、
「天国と地獄」「離婚式」そして表題作「地上10mの檻から」など
連載1話分くらいの長さのものまで多彩な作品が収録されており、
はじめての方にもディープなファンにも
楽しめる内容になっているのではないでしょうか。
ただ、あまりにも短い、それこそほんの数ページで深い世界を構築しているような物語が
息つく間もなく次々に繰り出される構成になっているので、
一気に全部読むと少し疲れてしまうかもしれません(悪い意味では無く)。
長編の合間に読んで、短編ならではの簡潔で深い世界にハッとさせられる・・・
そんな読み方をしたくなる作品たちです。