この最終巻を読み終えて思ったのは、時間を掛けてじっくり読んでこれて良かったなということ。もし、全7巻を一気読みしてたら、こんな深い感動に浸ることは出来なかったかもしれない。それくらい、振り返ってみると長い付き合いになったもんだぁと、しみじみしてしまいました。
SFだけど泥臭く、ユーモラスで暖かい漫画でした。少年の父への憧れ、罪の意識と自分への戒め、家族や仲間の大切さ。色々なことを考えながら読んできましたが、今、強く思うのは、自然との向き合い方です。
2011年9月現在、地上はまだ存在し、そこで人間は暮らしています。しかし、それが当たり前のことではないのだという危機感を、自分はようやく持ち始めました。震災をはじめとする自然の脅威に、人間はあまりにも無力だと痛感。そして人間を支えてきた技術と進歩こそが、地球の寿命を縮めてきたのだと思うと、逃げ道のない袋小路に入ってしまったような気がしてきます。
そして地上で生活が困難となり、宇宙空間に逃れることになってしまった結果の「土星マンション」は、あながちフィクションともいえません。
それでも、この物語で描かれる人間はたくましく、精一杯に生きています。そして今一度技術と進歩を重ね、自分たちが住めなくした地上へも、次の希望を繋ごうとしています。文字通り、地に足をつけて、未来へ歩き出そうとしています。
時代や環境が変わっても、人間は変わらない、人間の強さを持っているのだと感じました。これは間違いなく希望です。
自然と向き合い、人間と向き合う漫画「土星マンション」。今こそ、読まれるべき漫画だと思います。