『土属性はダテじゃない!』です。二次元ドリームでエロラノベを手掛けている作者の、一般向けラノベ進出作品です。本は比較的薄めです。
箇条書きで良い点。
・精霊指定都市、ヂミなど、言葉のセンスの良さが随所でみられる。
・地味な土属性に着目したネタを扱ったこと。ヒロインは火属性なのですが、これが逆で主人公が火属性だったりしたら、単なるありがち異能バトルにしかなりません。
・主人公の得意なものが相撲、という、これまた題材の妙。何かあればとにかく四股踏み。力強かったです。
・イラストと性格のイメージがやや合わないなどありますが、なんだかんだいってメインヒロインに魅力があり、基本ボーイミーツガールとなっている。
・主にヒロインのイラストがなかなか良かった。サービスもごちそうさまでした。
・展開はダイナミック。どんでん返しぽいものもいくつか。山場のレースもなかなか迫力ある異能バトルでした。
次にマイナスポイント。
・メイン以外のキャラが薄い。特に風の連中は、パートナーも名前が似ているなどあって、文章での書き分けも不十分に思えたし、イラストも覆面なので区別不能でした。あるいは区別自体さほど重要ではないのかもしれませんが、そうなると犯人探しがどうでもよく思えてしまった。
・スポ根、ラブコメ、レース、相撲、ギャグ、犯人探し、お色気など色々な要素が盛りだくさんだが、悪く言えばどれも中途半端。
・作中に「デート?どういう脈絡?」といったツッコミ台詞もありますが、全体的に脈絡が繋がらないまま展開が早いので、感情移入がついていけない。
・つまりは全体として、無駄なことに文章を費やしている割には、肝心な部分での描写が薄めで、ちょっとちぐはぐに感じました。
トータルすると、つまらなくはないですが、やや微妙。諸々要素の一つであるギャグが読者個々の好みに合致するか、にもよりそうです。
ヒロインは十分魅力あるはずなのに全体としては物足りなく感じるラノベは、あまり例が無いよう思います。
評価は★3です。